バルセロナでの事件「大きなテロは簡単には起こせない。」

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 スペインのバルセロナで車両を用いたテロ事件が発生したのは
みなさんもご存知のとおりです。

旅行先でレンタカーを借りて歩行者専用道路を猛スピードで走る
という行為は誰にでもできてしまいます。

お亡くなりになった方や負傷された方は大変に不運でありご冥福、
ご回復をお祈りいたします。

こういった事件に巻き込まれない工夫は
ただただ、周囲の様子を常に観察して、自分自身が生き残るために
最低限の注意力を発揮しておく、以外にありません。

 他方で、今回のバルセロナの事件は単なる車両暴走ではなかった可能性が指摘されています。
バルセロナで車が暴走する前に、200キロ離れた町で建物一つが爆発によって崩壊していたこと、
また、バルセロナの事件後に120キロ離れたカンブリスという都市でも似たような車両暴走が発生しています。

 一連の事件は同一グループによって計画・実行されていた可能性が否定できません。
また、このグループの誰かがシリアやイラクのISと連絡を取っていた可能性も報じられています。

 単発の車両暴走であれば、免許と数千円のお金と覚悟があれば誰にだってできてしまいます。

しかしながら、

 複数のメンバーを集め(ヒト)
 武器となる道具を準備し(モノ)
 準備用の各種資金を管理し(カネ)

実際に計画通りテロを起こすというのは誰にでもできることではありません。

 大きなテロ実行のためには上述のとおり、

 ヒト・モノ・カネ

の活用を考える必要があるわけですから、ビジネス上のプロジェクトを実行する
と同じようなプロセスが必要です。

 今回の事件においても、爆弾を作成しようとしたものの失敗して民家を崩壊させてしまったがために
当初の計画が実行できなくなり、より手軽にできるテロ行為として車両暴走に落ち着いたとも言われています。

 つまり大きな計画はあったものの、実行犯らにその計画を実行する能力がなく、
結果的に今回の事件は「失敗」であり、その分被害が軽かったという見方もできます。

 日々周囲の様子に注意を払うことでリスクを低減する努力は継続すべきですが、
大規模なテロが次々に起こりそうなので、日常生活を過度に制限するのは行きすぎです。
テロを実行するまでのプロセスを理解すれば、

 そう簡単に大規模なテロを起こせないこと、
 大規模なテロはある程度予兆が見通せること、
 そして一定程度理論的に予防できること、

は可能なのです。