不特定多数の人が集まる場所でテロを防ぐための指針 オーストラリア政府の発表

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8月22日オーストラリア政府の発表です。

ヨーロッパで相次ぐ自動車を用いたテロ事件を踏まえて
不特定多数の人が集まる場所でテロを防ぐための指針を発表しました。

Australia’s Strategy for Protecting Crowded Places from Terrorism

グアム政府が発表した住民向け非常事態対応マニュアル同様、重要なポイントが端的にまとまっています。
皆様にもお役にたつと思いますので簡単にご紹介させて頂きます。

 

1.不特定多数の人が集まる場所の事例

スタジアム、
ショッピングセンター、
歩行者天国になっている商店街、
大きなイベント会場等
(テロ対策の業界では

「ソフトターゲット」

という言葉を用いることが多い場所です)

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2.最近上記の場所で発生したテロの事例

ロンドン橋(2017年6月)
マンチェスターコンサート会場(2017年5月)
ベルリンクリスマスマーケット(2016年12月)
ニースの花火会場(2016年7月)

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3.テロで用いられる手段

車両(レンタカー)
ナイフ
小さな銃

特に車両とナイフはテロリストでなくても
日常的に用いています。そのため、

車両を運転しているから、
ナイフを所有しているから、

すぐに逮捕するということが現実的には
難しい一方で、上記のテロ事件でもわかる通り、
大きな被害が発生しかねない手段です。

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4.なぜ人が集まるところが狙われるか?

一気に多くの死傷者を出せるため、
テロリストにとっては人が集まるところでの
テロは小さなコストで大きな効果を狙えます。

また、人が多く集まる場所は通常誰でも近づける場所であることが多く、
また、その国や地域にとって有名でシンボリックな場所でもあります。

そういった場所で多くの死傷者が発生すれば、
地元の新聞やテレビはもとより、
国際的なメディアの関心も集まります。

5.テロ防止の四つの要素
-抑止、発見、遅延、初動対応、ー

抑止:テロを実行できないように物理的、ないしは電子的な障壁を設けること

例えば
商店街の入り口にフェンスを作る、
敷地の境界に照明を設置する
監視カメラを設置する
パトロール要員を配置する

発見:テロの予兆や犯人を視覚的、ないしは警備システムで確認すること

例えば
監視カメラを設置する
電子的な警備システムで侵入者を探知する
出入りする車両や人を確認する
爆発物探知犬を配置する

遅延:テロの行為を少しでも遅らせるために物理的な対抗措置を講ずる

例えば
噴水や自然の地形、植込み等で防御する
車が速度を落とさざるを得ない仕組みを作る
歩行者や車の出入り確認場所を作る

初動対応:事件が発生した速やかに関係者が連携を取って治安上の対応をとること

例えば
訓練を受けたスタッフが速やかに駆けつける
事件発生現場を速やかに封鎖する
緊急時の連絡体制を整える
包括的な安全対策計画が関係者間で共有される

などが記載されています。