【事案分析】日本人がやりがち、「盗ってください」行動

日本は人のものを盗まない社会

今年3月、警察庁は平成29年分の「犯罪統計資料」の確定数値を発表しました。この情報に基づけば、日本国内における刑法犯の認知件数は全体で91.5万件となっています。これは平成28年度と比較しても8%以上少なく、戦後最小となっています。

 

認知された犯罪のうち7割以上は窃盗犯(すり・ひったくり、自転車盗、万引き、住宅等への侵入盗など)ですが、こちらの件数は約65万件となっています。窃盗犯の件数もここ数年は減少傾向です。

日本の人口はご存知の通り約1億2500万人ですので、窃盗犯の認知件数は10万人あたり520件程度ということになりますね。

 

反対に増えているのは「オレオレ詐欺」や「架空請求」といったいわゆる特殊詐欺事件です。こちらは、物理的な接触を最小限として、現金を振り込ませたり、郵送させることによってお金を盗む犯罪ですが、平成29年度は47,000件と過去最高を記録しました。

 

この統計値を見てわかるのは、日本ではいわゆる「泥棒」と聞いてイメージされるような窃盗犯は思っている以上に少ないということです。よくよく皆さんの周囲の状況を確認してみてください。万引きなどが良い例ですが、「盗もう」と思えば、盗めてしまうものはあちこちにありますよね。街中のコーヒーショップに行けば、鞄やスマホ、時には財布で席を確保していることを見かけることも・・。

(注:窃盗は犯罪です。あくまで想像してください、という趣旨です)

 

これだけものを「盗みやすい」状況で、物を盗まれたと訴える人がどんどん減っているという点に日本の特色があります。日本人はみな小さい頃から「人のものを盗んではいけません」ということを繰り返し教え込まれていますし、そもそも盗むというリスクを冒さなくても簡単に買える社会であることも一因でしょう。さらには警察も十分に機能しており、捕まる可能性も高いという認識が浸透していることも抑止力として働いているのかもしれませんね。

 

 

海外では日本の常識は通用しない

では、海外ではどうでしょうか?日本と各国の警察でどのような犯罪をどういった種別に分類するのか、またどの時点で統計に算入するか、が異なるため、単純な比較はできませんが、おおよその目安として紹介させていただきます。

 

例えば日本人の方も多く旅行されているスペイン。

外務省安全HPのスペインページより抜粋

 

こちらの数字によれば、2016年スペインで発生した窃盗事件数は868,357件(三種類の単純合計です)となります。スペインの人口は約4600万人ですので、人口10万人当たり1880件ほどの窃盗事件が発生していることになります。これは実に日本の4倍近い数字ですね。

(ご参考までスペインに対する日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア各国政府の各国民向けトラベルアドバイスをまとめたページはこちらにあります)

 

イラクやアフガニスタンのように、「どう考えても命に危険がある」というイメージが描けないため、安全な国、と思い込んでいる先進国は多くあります。特にヨーロッパや北米の国はそうだと思いますが、実際にはスペイン同様日本の数倍~10倍くらいの一般犯罪(すり・置き引き、ひったくり等)が発生しているという事実は覚えておいたほうがベターです。

 

『先進国だし、街中も清潔だし、インフラも整っているし、日本と同じように過ごせるね』

という考えは通用しないのです。

(次ページでは・・・つい最近日本人の方が被害に遭った置き引き事件の事例から反省点を説明します)