緊急事態発生!あなたの身を守る三原則

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とっさの対応が生死を分ける

 

海外で旅行中大きな爆発音が聞こえた

ホテルにいたら階下から銃声が聞こえてきた

歩道を車両が暴走し、自分に向かってきている

大勢の群衆が何かを叫びながら警官隊や周囲の建物などを殴打している

 

 

こんな事態に巻き込まれた場合、皆さんはまず何をしますか?

日本では滅多に経験しないであろう出来事ですが、世界各地を見渡してみると一定の頻度で発生している事案ばかりです。例えば、それまで大規模なテロとは無縁だったオーストリアでも2020年11月3日、首都ウィーン市内複数個所で銃撃や爆発を伴うテロ事案が発生しました。

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2020年11月3日、オーストリア首都ウイーン市内7か所で銃撃や爆発を伴うテロが発生(オーストリアmeinbezirk誌のウェブサイトよりキャプチャ)

 

実はテロによる死者が発生している国の数は10年前と比較して概ね倍、広い範囲に広がってきています。つまり、テロや襲撃が発生した際、自分の身を守るために何ができるか、を考えておくことは決して大げさなことではなくなってきているのです。

 

さて、ではテロや襲撃と思しき事態が発生した際、皆さんはどんな行動をとりますか?当サイトが考える正解を発表する前に、これはやってはいけない!という対応から。

 

「パニックになって立ち尽くす」

 

というのが最悪の対応です。

 

爆発や銃撃の影響をまともにご自身の体に受けてしまったり、暴力的になっている群衆に巻き込まれて身動きが取れなくなってしまいます。最悪の場合その場で死亡してもおかしくありません。

 

武器や弾薬の流入が厳しく制限されている日本では爆発音や銃声などよほどのことがない限り耳にすることはないと思います。また何らかの主張を唱えるデモもあるにはありますが、フランスで発生しているイエローベスト運動等で観察されるような一部過激な参加者による暴力的な行為はほぼ見られません。

ですので、大多数の日本人は(よほど特殊な訓練に参加しない限り)そういった極限状態を経験することもできないのです。まったくパニックになるな、というのも無理な話です。

 

では、パニック状態の中でも自分の命を守る確率を高める行動をとるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

当サイトとして非常事態発生時に備えて日ごろから備えておくべき、とおススメしているのは

 

「何かあったらこうする!」

 

とシンプルに頭に刷り込むことです。テロや襲撃、暴動等に遭遇した際、命を守るシンプルな原則とはなんでしょうか?

 

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RUN, HIDE, FIGHT(逃げる、隠れる、反抗する)

 

当サイトがベスト、と考えるシンプルな原則はこの三原則。

 

 逃げる(Run)

 隠れる(Hide)

 反抗する(Fight)

 

の三つです。(Fightを直訳すれば「戦え」ですが、ハリウッド映画のように襲撃犯を倒すための戦いをする必要はありません。あくまで皆さん自身の身を守ることが最優先ですので弊社では「反抗する」と意訳しています)

爆発や銃撃、もしくは何か異常な事態を感じたらその場を離れましょう。事件現場から離れれば離れるほど、皆さんの安全は確保できます。

もし、逃げることが難しい場合には、丈夫な壁や部屋の中などで事態が収まり安全だと思えるまで隠れましょう。

 

上記二つで対応できない場合、すなわち目の前に皆さんの命を狙う犯人がいる場合は死に物狂いで反抗するしかありません。背景や理由はどうあれ、何もしなければ殺される!という場合には無抵抗でいては生存率は0%です。反抗して生き残れるかどうかはわかりませんが、生き残るためにベストを尽くしてください。

 

こちらの動画はアメリカヒューストン市が作成し、youtubeで公開しているものです。このビデオでも襲撃犯から身を守るための術として「Run Hide Fight」を紹介しています。また、米国連邦捜査局、FBIも2020年に似たようなビデオを作成し、youtubeで公開しています。

 

ヒューストン市が公開している動画のキャプチャ

 

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コンセプトは『防災訓練』と同じ

 

経験したこともないような事態に遭遇していきなりそんなことできるか!と感じたでしょうか?おっしゃる通り、日本ではここまでの事態に遭遇することはそうそうありません。

 

ただ、ナイフを振り回す通り魔やペダルを踏み間違えて突進してくる自動車を避ける、というケースでも同じ三原則で皆さん自身を守ることができます。日本国内でもしばしば発生しうる、皆さんの身の回りで起こってもおかしくない異常事態にも使えますので是非RUN, HIDE, FIGHTの三原則は覚えておく価値があるのではないでしょうか?

 

また、いつ起こるかわからない異常事態の際、とっさに動くために頭の片隅にシンプルな原則を置いておく、という行為、実は皆さんも似たような取り組みを小さい頃から積み重ねています。

 

それはいつなんどき、どのような形で起こるかわからない自然災害や火事を想定した防災訓練。地震が多い日本だからこそ、小学生の頃からいざというとき落ち着いて行動できるよう、年に何度か、机の下にもぐったり、ハンカチで口を押えたり、落ち着いて広い場所に避難したり、そんな訓練を経験されているはず。

最近では、避難の際の三原則として

 

お:押さない

は:走らない

し:しゃべらない

 

といった語呂合わせが子供向けに使われているようです。

 

テロや襲撃と同じで自然災害はいつ来るかわからないのですが、小さいころから、シンプルな三原則が頭に入るよう何度も繰り返し訓練されているためか、日本では自然災害即大パニック、という状況にはなりませんよね。テロや襲撃に対する備えも防災訓練と同じ。特にテロや襲撃も想定しうる国に行く場合には、万が一に備えて頭の中にRUN, HIDE, FIGHTを刷り込んでおいていただくだけで、生き残る可能性を高められるのです。

この項終わり