開発途上国で子育てをされる方へ~プロローグ~

この記事のURLをコピーする

海外赴任辞令は突然に

 

「今日辞令が出てさ、来月からアフリカに赴任することになった」

帰宅するなり、ご主人(もしくは奥様)がこう告げた時、あなたはどう思うでしょうか?

 

口に出して発言するかどうかはさておき

 

(ええっ?アフリカ??)

(どんなところに住めるの?)

(日本人はほかにいるのかしら?)

(子供は連れて行っても大丈夫なのかしら?)

(何年くらいそこにいなければならない・・・・・・・・・んだろう?)

 

といった考えが次々と頭に浮かぶのではないでしょうか?

 

会社員の人事異動はたいていの場合突然です。

経済がグローバル化し、日本企業も世界各地に進出している昨今、突然の海外赴任辞令も決して他人事ではありません。

 

 

この数十年で、技術革新が進み、ヒト・モノ・カネ・情報の移動スピードは大きく向上しました。ヨーロッパや北米のみならず、中東やアフリカ各国への旅行を勧めるHPやガイドブックもよく見かけるようになりました。

 

しかしながら、多くの方にとって「開発途上国と呼ばれる国で生活する」というのはまだまだイメージできないのではないかと思います。イメージができないがゆえに、多くの不安が次から次にわいてくるのはやむを得ないこと。たとえそれがご主人(もしくは奥様)にとって「栄転」であったとしても決して手放しで喜べない辞令なのではないでしょうか?

 

海外安全メールマガジン登録

開発途上国と呼ばれる国・地域への海外赴任と子育て

海外赴任と言えば、ロンドン、ニューヨーク、パリ、といった華やかなイメージの都市が多かったひと昔前に比べ、日本各地で「イメージできない海外赴任」「手放しで喜べない辞令」は増えているように思います。このHPの代表である私(尾崎)自身、2006~2007年にインドで、2011年~2015年にパキスタンで駐在生活をしています。

 

組織に属する以上、辞令が出ればどこへでも赴任するのがサラリーマンの宿命です。明日、あなたの家庭に海外赴任辞令がやってきたらどうしたらよいのでしょうか?

海外に赴任される際、おそらく最も大きな問いはご本人が海外に行くかどうか、ではありません。ご家族で揃って海外に赴任されるかどうか、こそ最大の懸案事項になります。もちろん、それぞれのご家庭の事情がありますので、

 

「必ず家族揃って駐在したほうがいいです!」

 

と言い切るつもりはありません。

 

ただ、

 

 「なんとなく危なそう」

 「外国語をしゃべるなんて無理」

 「知り合いもいない場所で子供を育てられない」

 

といった先入観だけで、数年間もご家族が離れ離れになるという選択をしていただきたくはないのです。

 

開発途上国であっても、国や地域の状況によって、また皆さんの事前の準備を工夫すれば、ご家族揃っての赴任を有意義な経験につなげることができるのです。また、実際にそうした経験をされてきた先輩ご家族も増えてきているのです。

 

 

しかしながら、そういった体験談はこれまでごく限られた人たちの間の「口コミ」でのみ語られてきました。開発途上国に家族揃って赴任する、開発途上国でお子さんを育てるといった経験談や安全面、衛生面での工夫を体系的にまとめたホームページ、書籍はほとんど見かけません。

 

得てして海外赴任の辞令を受け取る方は30代~40代、お子さんが幼稚園/保育園~中学生くらいの方が多いという事情もあります。一般的にお父さん、お母さんがお子さんと一緒に過ごすことはお子さんの成長過程を見ることができるという意味でもありますね。途上国への海外赴任の辞令=お子さんの成長を実感する機会を手放す、という一択にならないようにしたいな、と願っています。

 

そこでこのシリーズでは、ある日突然開発途上国に家族で駐在することになった時、

 

 海外赴任辞令を受けとった際まず何をすべきなのか、

 現地での子育てのためにどんな準備をすればよいのか、

 現地でどうやって生活をスタートさせればいいのか、

 いざという時、どんなサポートがあり得るのか、

 

などを具体的に解説していきたいと思います。

 

私自身の経験はもちろんのこと、世界各地のいわゆる「開発途上国」と呼ばれる国で子育てをした方々の経験談を交えつつ、執筆していく予定です。

 

赴任先での生活がイメージできず、泣く泣く数年間、単身赴任を決断した(決断しようとしている)皆様のお役に立てれば光栄です。

 

この項終わり