予防措置、被害軽減措置の両方をもう一度見直そう
最後に、治安情勢が変化した際の安全対策強化策の具体的な検討方法をご紹介しましょう。
自分たちに迫るリスクのうち、どの項目を優先して対応するか判別するツールとして以前、Risk Matrixをご紹介しました。滞在先の治安情勢が変わったと思われる場合には今一度このRisk Matrixを見直すことが大切です。治安情勢が変わり、安全対策を強化しなければならないのであればRisk Matrixに記載される各種のリスクが全体的に右上にシフトしているはずです。
右上にシフトし、リスクレベルが上がっている状態であれば、必要なリスク対策を講じて左下側に移動できないか検討するのです。どのようにすれば、左下に移動できるのでしょうか?
特定のリスクに対し、Risk Matrix上の位置を左側に移動する方策はPrevention =予防措置、Risk Matrix上の位置を下側に移動する方策はMitigation=被害軽減措置でした。そう、特定のリスクをRisk Matrix上で左下に移動させるには予防措置と被害軽減措置の両方を講じればよいのです。
ここまで理解できていれば、皆さんが感じた「変化」に対応するための具体先もイメージできるはず。Risk Matrixに基づいて「変化」の背景とその対応策を検討してみてください。