ナイジェリア治安最新情報(2024年2月)/海外安全.jp


0.ナイジェリアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ナイジェリア日本国大使館  :+234-(0)90-6000-9019

◎大使館邦人保護窓口(領事部門):+234-(0)90-6000-9099

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察       :112

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

ナイジェリアに対しては、各国政府とも全般的にリスクが高いと評価しています。特にイスラム教過激派ボコ・ハラムの活動が活発な北東部は各国とも立ち入りを禁じる旨記載があります。
ナイジェリア中央部~北部にかけても各国のリスク評価が高く設定されており、できるだけ立ち入らないよう呼びかけられています。
万が一これら地域に立ち入る場合は十分に現地の状況を把握したうえで、専門の警備を付けて移動するようアドバイスがあります。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、ナイジェリアに対するリスク評価は極めて厳しいものです。各国政府間で多少範囲に差がありますが、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」という最大級の警戒情報を設定することはほとんどないイギリス政府が北東部ヨベ州、ボルノ州、アダマワ州、ゴンベ州に同リスク評価を設定している点は重く見るべきと考えます。

その他北部から中部にかけても、誘拐や銃器を用いた強盗が頻発しており、渡航はオススメできません。首都アブジャには2022年10月29日時点でテロの可能性が高まっている旨各国が注意喚起を行っている関係で「レベル3:渡航は止めてください」が設定されています。南部の大都市ラゴス周辺は日本政府外務省のリスク評価上「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」となっていますが、このエリアも含めアメリカ政府は「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」と設定している点をご確認ください。

もし渡航される場合は日本政府やイギリス政府が記載するように専門のセキュリティガードを付ける、複数車両で移動する、生命の安全を第一に武装強盗には反抗しない、といったアドバイスに従うようおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。」が設定されている地域

北東部のボルノ州、ヨベ州、アダマワ州

「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域

北東部のバウチ州、ゴンべ州

北中央部のコギ州、プラトー州ジョス市とその周辺地域

北西部ケビ州、ソコト州、ザムファラ州、カツィナ州、ジガワ州、カノ州、ナイジャー州、カドゥナ州

南部デルタ州、リバース州、バイエルサ州、アクワイボム州沿岸部

南東部イモ州、アナンブラ州

「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

アブジャ連邦首都圏を含む上記を除く全土

イスラム教過激派のボコ・ハラムによるテロリスクが高いことが繰り返し説明されています。特にニジェール・チャド、カメルーンとの国境付近には近づくことのないよう退避を推奨しています。

加えて、全土で銃を用いた凶悪犯罪や外国人も被害に遭っている誘拐事件なども頻発していることが明記されています。自身の安全を守るために必要な措置を講じるよう強く推奨されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響によるリスクレベル設定は解除されましたが、犯罪発生状況等を踏まえ全土に「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」以上のリスクレベルが設定されています。


ボルノ州、ヨベ州およびアダマワ州北部(誘拐及びテロの危険性があるため)

バウチ州、ゴンべ州、カドゥナ州、カノ州、カツィナ州、ザムファラ州(誘拐の危険性があるため)

アクワイボム州、ビエルサ州、リバーズ州、デルタ地域の沿岸部(ただしポートハーコートは除く)(犯罪の頻発、誘拐及び海賊行為の危険性があるため)


上記を除く全土

イスラム教過激派(ボコ・ハラム)によるテロや誘拐が特にナイジェリア北東部で発生しています。北東部ボルノ州、ヨベ州およびアダマワ州でのテロは頻繁であり、これらの地域に立ち入らないよう「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。それ以外の地域でも全土で凶悪な犯罪(銃器を用いた強盗、襲撃、カージャック、誘拐、レイプ等)が発生している旨記載があります。

また、海岸部では海賊行為も行われている旨注意喚起があります。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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イギリス政府は北東部ヨベ州、ボルノ州、アダマワ州、ゴンベ州、カドゥナ州、カツィナ州、ザムファラ州に「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。

アナンブラ州、バウチ州、カノ州、ジガワ州、ナイジャー州、ソコト州、コギ州、アビア州、プラトー州、タラバ州、イモ州の各州、ケビ州のニジェール国境から20キロの地域そしてリバーズ州の沿岸部以外に「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されています。

 

それ以外の地域は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」が設定されています。

テロが頻発する北東部を中心として、全般的に高いレベルの警戒が設定されています。特にテロの発生確率が高いとされている地点は宗教施設、宗教行事、マーケット、ショッピングモール、ホテル、バー、レストラン、公共交通機関のハブや難民キャンプとされています。

その他、誘拐や強盗に対する注意喚起も強いトーンで記載されています。「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」以上の地域に立ち入る際は、必ずセキュリティガードを付けるよう推奨されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

アダマワ州、アナンブラ州、アカワイボム州、バウチ州、バイエルサ州、ボルノ州、クロスリバーズ州、デルタ州、連邦首都圏のアブジャ市を除く地域、ゴンベ州、イモ州、ジグワ州、カドゥナ州、カノ州、カツィナ州、ケビ州、コギ州、ナイジャー州、プラトー州、リバーズ州、ソコト州、タラバ州、ヨベ州、ザムファラ州については「Do not travel : 渡航を止めてください」が設定されています。
それ以外の地域は「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」に設定しています。
2023年11月時点で最新のリスクマップは掲載されていません。
【参考】以下は新型コロナウイルス感染症拡大前のリスクレベルです。


オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

アダマワ州、バウチ州、ボルノ州、ゴンベ州、カノ州、カドゥナ州、ヨベ州とアクワイボム州、バイエルサ州、クロスリバー州、リバーズ州、デルタ地域に最高レベルの「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。

5段階中3番目となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が南西部エド州、エキティ州、クワラ州、ラゴス州、オグン州、オンド州、オヨ州の各州に設定されています。

残る地域は二番目に警戒レベルの高い「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」に設定されています。

全国的にテロと誘拐の脅威が高いと評価されており、特に北東部から中部にかけて危険レベルが極めて高く設定されています。ラゴスを中心として南西部は他地域ほどのリスクはないと記載がありますが、いずれの地域でも現地の最新情報に注意し、常に自分の周囲に不審な動きがないか、安全第一で行動するようアドバイスされています。

6.最近の治安ニュース

ナイジェリア東部タラバ州での住民大量誘拐(2024年2月17日)

ナイジェリア中央部武装勢力による襲撃続発(2023年12月23日)

ナイジェリア北西部大学での女子生徒誘拐(2023年10月4日)

ナイジェリア南西部オンド州での大量誘拐事案(2023年9月28日)

ナイジェリア全土大規模抗議活動(2023年8月)

ナイジェリア首都での武装集団による誘拐事案(2023年7月16日)

ナイジェリア中部病院前での爆発(2023年5月28日)

ナイジェリア米国大使館員銃撃事案(2023年5月16日)

ナイジェリア北東部ボルノ州での路肩地雷爆発(2023年4月26日)

ナイジェリア連邦首都圏内での村落襲撃誘拐事案(2023年4月6日)

ナイジェリア中央部カチア地区での児童誘拐事案(2023年4月3日)

ナイジェリア連邦首都圏内での銃撃と誘拐事件(2023年3月10日)

ナイジェリア南部オズオバでの放送局襲撃事案(2023年2月21日)

ナイジェリア旅客電車への攻撃と集団誘拐(2023年1月8日)

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