スペイン治安最新情報(2024年2月)/海外安全.jp


0.日本人向けの緊急連絡先

◎在スペイン日本国大使館:+34-(0)91-590-7600
邦人保護担当部署(領事警備班)直通:+34-(0)91-590-7614

◎在バルセロナ日本国総領事館:+34-(0)93-280-3433
邦人保護担当部署(領事班)直通:+34-(0)93-204-5439

◎在ラスパルマス領事事務所:+34-(0) 928-244-012
(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎救急全般:112(警察、消防、救急すべて共通番号)

・警察(全国共通):091(国家警察)、092(市警察・交通事案)

・消防(全国共通):080

・救急:061、091

・紛失、盗難届(電話窓口):902-102-112

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

スペインに対しては、各国政府とも安全度が比較的高いと評価しています。一般犯罪の発生率が日本と比べれば高く、特に世界中から観光客が多数集まるバルセロナ、マドリード等でスリやひったくり、置き引きが多数発生していることへの注意喚起がほとんどです。

【海外安全.jpのコメント】

アメリカ政府のみ、スペインを含むヨーロッパ各地でのテロリスクを高めに見積もっているものの、各国政府とも、スペインへ渡航する国民への注意喚起は最小限と言えます。ただし、単独もしくは数人の実行犯による小規模な攻撃等、テロに分類できる事件は否定しきれません。北アフリカとも地理的に近く、過去にバルセロナ市内、マドリード市内でもテロが発生していることを踏まえて、十分に注意をすることをおススメします。

また2023年後半から2024年にかけて政治的背景から北東部カタルーニャ州や首都マドリードを中心に反政府抗議デモ等が発生しやすい地合いとなっている点にも注意が必要です。

警戒のレベルとしてはオーストラリア政府のアドバイスにあるように「常識的な行動をとる」ことができれば不必要なトラブルは回避できるはずです。

2.日本政府の危険情報

日本政府はスペイン全土に特段の危険情報を発していません。全土が「レベル1:十分注意してください」よりも低い白で表示されています。

ただし、スペイン国内で過去に発生したテロ事件として2017年のバルセロナ市内での車両暴走テロ(16名死亡、100名以上負傷)、2004年のマドリード市内での列車爆破テロ(191名死亡、1800名以上負傷)の事例が説明されています。

テロに加えて、日本人が特にバルセロナおよびマドリッド等の観光地・公共交通機関内でのスリや置き引き、強盗などの被害に遭っていることから、こうした一般犯罪への警戒を呼び掛けています。

新型コロナウイルス感染症が広がる前、多くの日本人の方が旅行等でスペインに渡航されていた時期、在バルセロナ日本国総領事館に届けられた2019年1月~6月までの邦人犯罪被害件数は昨年の同じ期間に比べて約30%増加しているとの情報も提供されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっていましたが、2022年4月19日付で新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されました。

全土

アメリカ政府はテロリスクを懸念し、他の3カ国よりも脅威度を高めに設定しており、全土を「十分警戒してください:Exercise increased caution」の対象としています。他の欧州諸国よりは一段高い警戒が必要とリスク評価されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴うトラベルアドバイザリーの変更により現在イギリス政府は地図上でのリスクレベル表示は行われていません。

特段のアドバイスは記載されていませんが、金品やパスポートを標的とした路上強盗/窃盗等が多く発生している点は明記されており注意喚起がなされています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付、2022年10月3日付と段階的にトラベルアドバイスが引き下げられ、現在は全土が「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」に設定されています。新型コロナウイルス感染症拡大前の治安情報と同じリスクレベルに戻りました。

spain-aus-level

オーストラリア政府はオーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。
スペインは全土について下から二番目の「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」となっています。

ただし、2017年にバルセロナで発生した車両暴走テロを実例に挙げ、またスペイン治安当局が依然としてテロ警戒レベルを5段階中上から2番目の「テロの危険性が高い(high)」に設定していることを説明しています。

6.最近の治安ニュース

スペイン首都での大規模反政府抗議デモ(2023年11月18日)

スペインカナリア諸島での大規模火災(2023年8月15日)

スペイン北部森林等への放火多発(2023年3月)

スペイン国内で相次ぐ手紙爆弾送付事案(2022年11月)

スペイン ムルシア州テロ疑いのある車両事故(2021年9月17日)

バルセロナ等デモ隊と治安当局の衝突(2021年2月16日)

スペインバルセロナ等での独立主張デモ(2020年10月1日)

 

【参考情報】バルセロナのあるカタルーニャ州警察がyoutubeで公開しているよくある犯罪手口紹介ビデオ

1 すり
https://www.youtube.com/watch?v=XnhnkKeR7o0

2 置引き
(1)路上
https://www.youtube.com/watch?v=Onz0kdiOD28
(2)ホテル
https://www.youtube.com/watch?v=K-IFjox6MpI

3 ひったくり
(1)路上
https://www.youtube.com/watch?v=8XS3rPYGm04
(2)ATM前
https://youtu.be/Z32vKWRjmjw

4 車上ねらい(パンク盗)
https://www.youtube.com/watch?v=XFOBpULbZg4

5 その他
(1)スーパーでの窃盗
https://www.youtube.com/watch?v=Lyz7xoUophs
(2)ATMでの窃盗
https://www.youtube.com/watch?v=iU7G2XI3oas
(3)抱きつきすり
https://www.youtube.com/watch?v=_qciCtIug7w

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