スペイン首都での大規模反政府デモ

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2023年11月18日スペイン首都マドリードで20万人近い市民らが抗議デモに集結しました。バルセロナを含むカタルーニャ地方の分離独立を主張する政治家への御社反対運動が発端となっています。先週来、断続的に関連デモが継続しており、一部衝突や逮捕者も報告されています。

 

スペインでは本年7月に行われた総選挙以降、過半数から信任を得る首相候補が現れておらず、約5か月もの間政権不在となっていました。今般総選挙で第二党だった社会労働党を率いるサンチェス氏がスペイン東部カタルーニャ州の独立を訴える政党に譲歩し、下院議員の過半数を確保しました。総選挙では第二党に後退したものの、事実上2018年から首相を務めたサンチェス氏の再選となります。ただし、カタルーニャ州独立派へ譲歩したことにより、2017年にカタルーニャ州の独立宣言を行い反逆罪に問われているプッチダモン氏らの恩赦を認めたことから、多数の国民からサンチェス氏も「裏切者」であるとの指摘がなされています。

 

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カタルーニャ独立派への恩赦法案の検討中から極右政党を中心に抗議活動が活発化していた(France24のウェブサイトよりキャプチャ)

 

スペインでは2017年、2020年と断続的にカタルーニャ州独立派の活動が活発化しています。2017年にはカタルーニャ州政府を率いていたプッチダモン氏が一方的にスペインからの独立を主張し、逮捕されるなど大きな混乱も発生していました。今後もスペインの権力闘争とカタルーニャ州独立派の動きが絡み、大規模なデモや政治運動が発生する可能性は否定できません。

 

 

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