ウズベキスタン治安最新情報(2024年3月)/海外安全.jp


0.ウズベキスタンにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ウズベキスタン日本国大使館  :+998-(0)78-120-8060~8063

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :102

◎救急  :103

◎消防  :101

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

アメリカ政府を除く3か国はウズベキスタンについて似た治安情勢認識を有していると思われます。日本、イギリス、オーストラリア各国ともタジキスタン、キルギス、アフガニスタン国境は危険度が高いものの、それ以外の地域は一定の注意をすることで安全を確保できると評価しています。
アメリカ政府のみウズベキスタン全土について危険レベルは最も低い部類であるとしており、他国とは評価に差があります。
直近でウズベキスタンではテロに分類される事案はありませんが、イギリスやオーストラリア政府はテロへの警戒も注意しています。一方で、日本政府は強盗やスリ等への注意喚起が中心です。

【海外安全.jpのコメント】

ウズベキスタンは10年ほど前までは散発的なテロ事案等が発生していましたが、直近で大きなテロ・襲撃事案は発生していません。国内の経済状況が良くないこと、またISIS等国際テロ組織に参加していた人間が国内や周辺国から流入する可能性も想定されるため油断は禁物ですが、現在の政治・治安情勢を踏まえると主要都市での大規模テロの難易度は高いと考えられます。

また経済情勢が良くないことから、一般犯罪は増加傾向にあり、特に人が多く集まる場所や交通機関の中などで強盗やスリ、ひったくり、置き引きなどの被害が多発しています。日本政府のアドバイスにあるように、バッグ等手荷物からは手を離さず、貴重品と現金は別の場所に保管する、日没後の外出を控える等滞在中常に安全対策を意識することをおススメします。

2.日本政府の危険情報

 

「レベル3:渡航を止めてください」が設定されている地域

フェルガナ、ナマンガン及びアンディジャン各州のタジキスタン及びキルギスとの国境沿い山岳地帯(キルギス領に囲まれた飛び地ソフ及びシャヒーマルダンを含む)

「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

アフガニスタンとの国境地域

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土

 

ウズベキスタン政府はイスラム過激派組織や麻薬の密輸組織等への対策として、過去にタジキスタン及びキルギスとの国境沿いの山岳地帯に地雷を埋設しており、未だ地雷の一部が残されていることから、同地域への立ち入りは非常に危険である点明記されています。

加えてアフガニスタン国境地帯はアフガニスタンで活動する武装勢力等イスラム教過激派の流入を防ぐため警戒強化措置が講じられており、不測の事態に巻き込まれないためにも近づかないよう注意喚起されています。

その他ウズベキスタンの大部分は十分注意してください、となっています。これら地域は比較的治安が安定していると評価されていますが、強盗やスリ、ひったくりといった金銭目的の犯罪は多数発生しており、2005年には日本人旅行者が強盗殺人被害に遭った事例も記載されています。

また直近では大規模なテロ事案は発生していないものの、2009年頃までは国内でテロに分類されうる事案が発生していたことも記載されています。現時点で日本人や日本企業等へのテロリスクはそれほど高くないと評価されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっていましたが、2022年4月18日付で新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。


全土

特段の注意喚起はありません。
全土が「一般的な注意を払ってください:Exercise normal precaution」の対象です。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、一時全土に対し、「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されていましたが、現在は感染症拡大前の治安情勢に基づくリスクレベルに戻されています。

大部分の地域は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」となっていますが、アフガニスタンとの国境沿い5キロ(国境の都市テルメズを除く)については「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されています。タジキスタン、キルギス、アフガニスタンとの国境付近には地雷が埋設されている可能性が指摘されています。加えて、この地域は突発的な衝突の発生危険性もあると書かれています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で国土の大部分が「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にが引き下げられました。
感染症拡大前から「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されていた国境地域のうち、アフガニスタン国境については同国でのタリバン勢力の権力掌握に伴い「渡航を取りやめてください:Do not travel」に引き上げられています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

ウズベキスタンではアフガニスタン国境に最もレベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。加えてアンディジャン地方、フェルガナ盆地の東側およびタジキスタン、キルギスとの国境付近に5段階中上から二番目の「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。この地域には識別されていない地雷が埋設されている可能性があること、また治安情勢が急激に変わる可能性がある点指摘されています。

 

これ以外の全土は5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。テロへの警戒が必要であること、また暴力的な犯罪が発生することが説明されています。過去にウズベキスタン国内で発生したテロ事例が示されており、更なるテロの可能性もある旨記載があります。常に周囲に注意し、現地の報道にも気を配るようアドバイスされています。

6.最近の治安ニュース

カラカルパクスタン地域非常事態宣言(2022年7月1日)

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