0.イランにおける日本人向けの緊急連絡先
◎在イラン日本国大使館 :+98-21-2266-0710
(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)
◎警察 :110
◎救急 :115
◎消防 :125
1.総論
【海外安全.jpのコメント】
イランでは国境地域での武力紛争リスクが極めて重大です。日本ではそれほど報道されませんが、パキスタンやアフガニスタン、イラクとの国境地域では銃撃戦や砲撃の応酬などが珍しくない頻度で発生しています。
また、日本を除く三か国は政治的な理由で何の前触れもなく自国民が拘束・逮捕される危険性を危惧しています。日本人に対してはそうしたリスクは高くないと思われますが、デモや政治的活動、軍事施設等を写真やビデオで撮影することは強く禁じられていますので、この点はご注意ください。
首都テヘランを除き、一般治安情勢はそれほど悪くありません。貴重品から目を離さない、華美な格好をしない、夜間の外出は控えるといった注意事項をしっかりと守ることで、詐欺等以外の被害からは身を守ることができると考えます。
2.日本政府の危険情報
「レベル4:退避してください」が設定されている地域
・パキスタンとの国境地帯
・ケルマンシャー州及びイーラーム州のイラクとの国境地帯
「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域
・イラク及びアフガニスタンとの国境地帯(上記を除く)
・シスタン・バルチスタン州(チャバハール市及び同市周辺の自由貿易地域、アフガニスタン及びパキスタン国境地帯を除く)
「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域
・シスタン・バルチスタン州チャバハール市及び同市周辺の自由貿易地域及びケルマーン州
「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域
上記以外の地域
イランと周辺国の国境地域では麻薬組織やテロ組織、地元武装勢力との武力衝突が発生しており、立ち入りは控えるよう強く注意喚起がなされています。
それ以外の大部分については近年テロ事案が発生してはいるものの、「一般治安状況はおおむね平穏に推移して」いる旨記載があります。ただし、一般犯罪の統計は公表されておらず、発生件数等は正確に把握されていません。しかしながら、過去に強盗、窃盗(空き巣、ひったくり、スリ等)で日本人も被害に遭っているとの記載があります。
テロおよび犯罪被害を防ぐためにも夜間、特に女性の一人歩きを控える、デモ行進集会には近づかない、外国人とわかるような目立つ格好、多くの所持品を持っての移動は避ける、といったアドバイスが明記されています。
3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー
全土に「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。イランとアメリカの間には国交はなく、依然として国家同士の対立が継続しています。トラベルアドバイザリー上もアメリカ人というだけで逮捕される恐れがあり、渡航を中止するよう求められています。
4.イギリス政府のトラベルアドバイス
イギリス政府はイギリスとイランの二重国籍者とそれ以外のイギリス国籍保有者でトラベルアドバイスが分かれています。これはイラン政府が二重国籍を認めておらず二重国籍者が逮捕される可能性があるためです。
一般のイギリス人に対してはアフガニスタン国境から100キロ以内の地域、イラク国境から10キロの地域、シスタン・バロチスタン州、東部バムからジャスクまでのエリアに対し、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。それ以外の全土は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」が設定されています。
テロの危険性が記載されているとともに、厳格なイスラム教国家であり、イスラム法に基づく統治がなされている点注意するよう記載されています。
5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス
オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。
アフガニスタン、パキスタンとの国境から20キロの地域、イラクとの国境から10キロの地域、また東部シスタン・バロチスタン州およびケルマーン州の東部は5段階中最も警戒レベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。
その他全土が5段階の真ん中である「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。テロ、政治的な不安定さについて特に注意喚起がなされています。
6.最近の治安ニュース
(リンク挿入予定)