バーレーン治安最新情報(2024年4月)/海外安全.jp


0.バーレーンにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在バーレーン日本国大使館  :+973-(0)1771-6565

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎緊急時(警察・救急・消防) : 999

◎交通警察(交通事故)   :199

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

バーレーンに対しては、日本とオーストラリア政府がやや注意レベルが高く、アメリカとイギリスは最低限の注意喚起にとどめているという状況です。ただし、いずれもテロの危険性と反政府デモの暴徒化への注意は共通しており、関連の注意喚起がなされています。
シーア派住民が多く居住する地域で、反政府でもが多く発生していること、またしばしばそういったデモが暴力的になることが共通の注意事項です。

【海外安全.jpのコメント】

バーレーンは中東諸国の中で比較的治安が安定している国と言えます。しかしながら、政治改革や経済的な不満を訴えるグループがデモを行い、しばしば暴力行為に及ぶなどの事例が報告されており、ご自身の身を守るために最低限の情報収集と行動上の工夫が必要です。特にシーア派住民が多い地域では、治安当局を狙って火炎瓶や爆発物を投げつけるといったテロに類する事案も発生しており要注意です。

その他、現地の文化・風習によって日本では何ら問題にならない行為が処罰の対象になることがあります。無用なトラブルを避けるためにも、日本政府外務省や担当の旅行会社からのアドバイス等は旅行前に読んでおくことをおススメします。

2.日本政府の危険情報


全土が「レベル1:十分注意してください」の対象となっています。直近約5年の間に大規模なテロや暴動は発生しておらず、日本人が深刻な犯罪被害に遭った事例も報告されていないとのこと。しかしながら、外国人が強盗や強姦等の被害に遭った報告があることを踏まえ、身の安全には注意を払うよう呼びかけられています。

現時点ではホームページに記載がありませんが過去特に注意を呼びかけられているのは、シーア派住民居住区ではしばしば発生する過激化した若者と治安部隊との衝突や爆弾事件です。以下に列記されたシーア派住民が多い居住区への接近を避けるようアドバイスされていました。

シトラ(Sitra)地区,エクル(akr)地区,ヌウェイドラード(Nuwaidrat)地区,マーミール(Maameer)地区,ナビ・サーレハ(Nabih Saleh)地区,ビラード・アル・カディーム(Bilad al Qadeem)地区,サナビス(Sanabis)地区,デイエ(Ad Daih)地区,ジドハフス(Jidhafs)地区,バニ・ジャムラ(Beni Jamrah)地区,ディラーズ(Diraz)地区,アブ・サイビ(Abu saybi)地区,ムクシャ(Al Muqsha)地区,,カラーナ(Karrhnah)地区,カルババード(Karbabad)地区,ドミスタン(Damistan)地区,カルザカン(Karzakkan)地区,マルキーヤ(Malkiya)地区,デイル(Dair)地区周辺

その他、日本との文化・風習の違いとして、人前でキスをする、身分証明書の不携帯などがバーレーンでは処罰の対象となることが明記されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっていましたが、現在感染症の影響はリスク評価に影響していません。テロへの警戒が必要であるという理由で全土が「十分警戒してください:Exercise increased caution」に設定されています。

全土

全土が「十分警戒してください:Exercise increased caution」の対象となっており、新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前と比して一段階高いリスク評価がなされています。テロへの警戒が必要であることが、コロナ前と比してリスクレベルを少し高く設定している理由とされています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

イギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示しておらず、治安上の強い注意喚起は特段ありません。

ただし無防備でよいわけではなく、頻発する反政府デモやテロの危険性を踏まえ現地治安当局が警戒を高めていることが明記されています。自分の周囲で異変が起こっていないか常に注意するよう呼び掛けられています。

なお、2024年1月イエメンを拠点とし、紅海周辺で商船等の襲撃、近隣国へのロケット砲発射等を続ける武装勢力フーシ派に対し、米英連合軍が空爆を行いました。事実上の軍事衝突が発生している状況とも解釈でき、情勢が急変する可能性も否定はできません。英国政府は1月12日付で中東一円18の国と地域のトラベルアドバイスを更新し、「状況によってトラベルアドバイスが急に変更される可能性がある」との記載を追加しています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

bahrain-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

バーレーンは全土が5段階中の3番目、「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」に設定されています。テロの危険性が排除できないこと、また政治的なデモが時として暴力的になる可能性があることが注意事項とされています。

加えて、特にシーア派が多数を占める地域での、金曜集団礼拝後や夜間は市民暴動の可能性があることも記載されています。

このため、常時身の回りに注意を払い、滞在中な地元報道なども確認するよう呼びかけられています。

6.最近の治安ニュース

米英連合軍によるイエメン武装勢力空爆の影響(2024年1月12日)

バーレーンATM爆破未遂事案(2021年2月6日)

バーレーンでの反政府抗議デモ(2020年9月12日~)

2020年1月3日にアメリカ軍はイラン軍幹部をイラク国内バグダッドでのドローン攻撃によって殺害しました。8日にはイラン軍がイラクにあるアメリカ軍拠点二か所に対し弾道ミサイルを撃ち込む報復攻撃を実施しました。中東を中心として情勢は不安定になっており、各国政府も自国民に対し、身の安全を守るため警戒を高めるよう呼びかけています。

 

2019年4月下旬、ブダイヤハイウェイの渋滞を避け、アブ・サイビ地区を車両で通過しようとしたところ、警察部隊を狙った火炎瓶が車両付近で炸裂したという報告が外交団の間でなされました。在バーレーン日本国大使館は改めて過激なデモ活動に注意するよう在留邦人に呼びかけています。

 

先日、とある住民(邦人ではありません)が、ブダイヤハイウェイが混雑していたことから、近道をするためにアブ・サイビ(地図11)地区に車で進入したところ、車の近くで火炎瓶が炸裂しました。投げられた火炎瓶は、同人を狙ったものではなく、近くにいた警察官を狙ったもののようです。同人は直ぐにその場を離れたため、負傷等はしませんでしたが、現在も一部の地域ではそのような過激な活動が継続されております。

皆様におかれましては、次の点にご注意下さい。
●シーア派地区内では、突発的な抗議活動や治安部隊との衝突が発生する可能性がありますので、昼夜を問わず立ち入らないでください。
●幹線道路が渋滞しているからといって安易に路地に入り、シーア派地区に入り込まないようにして下さい。
●グーグルマップは時折、シーア派地区を通るようにナビゲートすることがありますので、予め運転の際にはルートを確認すること、ナビがリルートされた場合はシーア派地区の通行が指定されていないかを確認して下さい。

【地図】
http://www.bh.emb-japan.go.jp/japan/MAP_%20Demonstration%20Notices.pdf

【※以下は、これまでの配信内容と同じですが、改めてご確認下さい。】

1.ご注意
●過去発生した多くの爆発物使用のテロ事件は、警戒中の警察官を狙ったものです。警戒中の警察官及び車両には、近付かないでください。
●シーア派地区(修繕されていない古い建物が多い、落書きが消されていない、黒い旗が掲げられている等の特徴があります。国内各地に点在しておりますが、これらの特徴により見分けることができます)では、参集者と治安部隊との間で度々衝突(石や火炎瓶の投てきに対治安部隊が催涙ガス弾や散弾銃で応戦)があるほか、タイヤ放火やガレキ等の障害物により道路が封鎖され、渋滞が起こり、ときには脱出できない場合があります。

2.その他
○ 事件や不測の事態に巻き込まれることのないように最新の情報入手に努めるとともに、緊急時の連絡手段を確保してください。
○ ショッピングモール、ホテル、観光施設、市場等不特定多数が集まる場所に行く際には、周囲の状況に注意を払い、「爆発音を聞く」「煙を見る」「人が多数集まっている」ほか不審な状況を察知したら、直ちにその場を離れるなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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