コートジボワール治安最新情報(2024年2月)/海外安全.jp


0.コートジボワールにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在コートジボワール日本国大使館 :+225-(0)27-2021-2863

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :170、111

◎救急  :185

◎消防  :180

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

海外安全.jp代表
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1.総論

コートジボワールに対してはいずれの政府も北部マリ、ブルキナファソとの国境の治安悪化を警戒しており、日、米、豪政府は西部リベリアとの国境付近での地元部族同士の争いに警戒が呼びかけられています。日本政府はその両者に対し、注意喚起を発しています。こうした地域では武力衝突や隣国で活動する武装過激派勢力によるテロ・襲撃に対する注意喚起が明記されています。
こうした地域以外でも事実上の首都であるアビジャンを中心に武器を用いた凶悪犯罪や住居侵入が多発していることをいずれの政府も明記しています。特に日本政府外務省は日中であっても地元住民を対象とした市場等へは不用意に近づかない、夜間の外出は極力控える、外出時には必ず車両を使用するといった詳細な防犯対策を推奨しています。

【海外安全.jpのコメント】

コートジボワールに対しては、各国とも若干レベルの差はありますが、全般的に治安情勢を楽観視していないことが伺えます。特にマリ、ブルキナファソ、リベリアといった隣接する国々の治安不安定化がコートジボワールに波及する可能性を各国とも懸念しています。特に当サイトでは北部のマリ、ブルキナファソ国境の状況が悪化しかねないと評価しており、現時点であえて北部国境に立ち寄ることは推奨しません。(2021年前半に各国とも同地域のリスク評価を引き上げており、現時点では当サイトの認識と各国のリスク評価はほぼ同じとなっています)

 

国境地域以外では観光やビジネスでの滞在は可能です。ただし、銃やナイフを用いた凶悪犯罪が多いこと、また現地治安当局も武装した強盗団などの人数が多い時には被害を避けるため見過ごす傾向があるといった日本の常識とかけ離れた実態がある点はご注意下さい。日本政府が注意喚起するように外出時には必ず車両を用いる(加えてすべての窓を閉じておく)、より安全なマーケットやホテルを選ぶ、夜間の外出は控える、といった最低限の注意を確実に守るようおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」が設定されている地域

マリ及びブルキナファソとの国境地帯

北東部コモエ国立公園地域及びガーナとの国境地帯の一部

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

・西部モンターニュ地方全域、リベリアとの国境地帯
・ドングェレ地方オディエンネ、サバン地方コロゴ、ヴァレ・デュ・バンダマ地方ダバカラ及びザンザン地方ボンドゥクの北側地域(レベル3発出地域を除く。)

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記地域を除く全土

 

西部リベリア及びマリとの国境地帯ではリベリアの傭兵や武器の氾濫、避難民の帰還、土地所有を巡る問題等により今なお住民間の衝突が散発していることが記載されています。加えてマリ南部でのテロ事件が頻発発生していることから、コートジボワール国内のマリとの国境地帯でもテロの影響が及ぶ可能性が懸念されています。

さらに、2019年6月には北側に隣接しているブルキナファソの治安悪化に伴い、コートジボワール北部国境地域も危険情報がレベル2に引き上げられました。その後2021年5月には国境に近い地域がレベル3まで引き上げられています。ブルキナファソで活発化している武装過激派の活動がコートジボワール側にも浸透しつつあると評価されています。

 

これら以外の地域でもアビジャンを中心に通行人を標的として銃やナイフ等を用いた強盗が多発していること、また邦人観光客も被害に遭っていることが明記されており、特別の注意が呼びかけられています。アビジャン以外の地域でも、強盗や住宅侵入強盗が発生していることが記載されており、夜間の外出を控える、滞在者は戸締まりをしっかりする等注意喚起が記されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

感染症を理由とするリスクレベル設定は解除されています。新型コロナウイルス感染症拡大前と比して、国土の主要部分へのリスクレベルが一段上がり、全土が「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」以上に設定されています。

北部の国境地域ではテロによる被害の可能性が懸念されるとして最もレベルの高い「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。マリやブルキナファソで活動が活発化している武装過激派勢力が国境を越え、コートジボワール領内でも攻撃を行う可能性が指摘されています。

北部国境地域以外においても犯罪被害が多発していること、特にカージャックや強盗、住居侵入等の暴力的な犯罪が頻発していることを踏まえ、「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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北部マリ及びブルキナファソ国境から40キロ圏内とコモエ国立公園を含む北部の一部の地域に対し、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。地元武装勢力による深刻な暴力被害への懸念が明記されています。

それ以外の地域は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」とされています。ただし、アビジャンをはじめとしてカージャックや銃を用いた侵入盗、強盗等が多く発生していることが記載されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていましたが、2021年11月1日付で国土の大半が「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。
西部リベリアとの国境付近では地元の部族間の衝突リスクや隣国リベリアからの越境攻撃などが散発していることから警戒レベルの一段高い「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。加えて近隣国マリやブルキナファソの治安悪化を踏まえ、北部マリとブルキナファソ国境には「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

首都ヤムスクロや最大都市アビジャン等その他地域に対しては5段階中真ん中となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されていますが民衆騒擾や暴力的なデモ等、予測が難しい治安の不安定化が懸念されることが書かれています。滞在中は常に現地ニュースを確認し、自身の身の安全を確保するようアドバイスされています。

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