フランス治安最新情報(2024年2月)/海外安全.jp


0.フランスにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在フランス日本国大使館:+33-(0)1-4888-6200

◎在ストラスブール日本国総領事館:+33-(0)3-8852-8500

◎在マルセイユ日本国総領事館:+33-(0)4-9116-8181

◎在リヨン領事事務所:+33-(0)4-3747-5500
(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察:17(携帯電話からは112も可能)

◎救急医療:15

◎消防:18

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

日本政府外務省はフランス全土に対する危険情報を発しておらず、色による識別がなされていません(5段階の危険レベルのうち一番下と評価)。ただし、「テロに対する特別な警戒が必要です」との注記があり、2016年~2017年頃まで断続的に発生した同国内でのテロへの注意喚起を行っています。

他方でアメリカ政府は4段階の危険情報のうち下から2番目(Exercise increased caution)と評価していること、またオーストラリア政府は5段階の危険情報のうち真ん中の(Exercise high degree of caution)と評価しています。両政府は明確に色で危険度を示しており、日本政府よりも、視覚的にわかりやすい注意喚起が行われています。

日、英、米、豪いずれの政府もフランスについては地域別もしくは県別に危険情報を分類していません。

【海外安全.jp のコメント】

フランスへ渡航される方は、各国政府の評価が分かれていること、また一般犯罪(すり・置き引き・ひったくり等)の被害は多く発生していることを踏まえ、現地では十分に注意してください。特に日本政府外務省が示している白い地図(色による警告がない)だけを見てフランス=世界でも安全な国の一つ、と考えて行動すると不測の事態に遭遇することも否定できません。

パリ周辺では17区北側、18区、19区、20区及び北部サンドニを含むセーヌサンドニ県で犯罪発生件数が多いという統計があります。特にパリ北駅周辺では子供のスリも多いためご注意ください。

また、現地大使館等の統計によれば、日本人の犯罪被害の多くは公共交通機関(駅・列車内等)で発生している点もご注意ください。

2.日本政府の危険情報

ご覧の通り、フランスに対して明確な危険情報は発信されておらず、地図上全土が真っ白で表示されています。これは5段階(色がつく4段階+白)の中で「レベル1:十分注意してください」よりも安全と評価されているように読めます。

日本政府はフランス国内4か所に大使館/総領事館があります。皆さんの滞在場所によって相談窓口が変わりますので、出発前に管轄の日本政府公館を確認しておくことをおススメします。

jpn-france-region

過去HP上では「テロに対する特別な警戒が必要です」との注記がなされていた時期がありました。断続的にテロが発生した経緯を踏まえて同国内でのテロには十分注意する必要がある旨、現在も注意喚起はなされています。を求めています。

ご参考まで、テロに対する特別な警戒を解説した過去のPDFからこれまで発生した主要テロ事件リストを共有します。

(※)2015年以降にフランス国内で発生したテロ事件等
● 2015年1月,イスラム過激派に影響を受けた男らにより,パリ市内に所在する新聞社が襲撃されて多数
が死傷したほか,ユダヤ系スーパーに武装した男が立てこもり,買物客が死傷。
● 2015年11月,パリ市内の小劇場,レストラン,カフェ等及び北部近郊の国立競技場において,連続テロ
事件により多数が死傷。
● 2016年7月,ニースにおいてフランス革命日を祝う花火を見物する客の列にトラックが突入し,多数が
死傷したほか,フランス北部ルーアン市近郊の教会が襲撃され,神父等が死傷。
● 2017年2月,パリ市内のルーヴル美術館で,刃物を所持した男が兵士を襲撃。
● 2017年3月,オルリー空港で,男が兵士を襲撃し武器を奪取した。
● 2017年4月,パリ市内のシャンゼリゼ通りで,男が警察官らに対し銃撃。
● 2017年6月,パリ市内のノートルダム寺院で,男がハンマーを用いて警察官を襲撃。
● 2017年6月,パリ市内のシャンゼリゼ通りで,国家憲兵隊の車両に車が突入。
●2017年10月,マルセイユの鉄道駅構内で,刃物を所持した男が通行人を襲撃し2名を殺害。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっていましたが、2022年4月以降新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。

全土

アメリカ政府はテロの発生を懸念し、自国民に対して「十分警戒してください:Exercise increased caution」の注意喚起をフランス全土に発しています。身の回りに不審なモノが放置されていないか、旅行中も最新の現地ニュースに注意を払うことが求められています。

If you decide to travel to France:

  • Be aware of your surroundings when traveling to tourist locations and large crowded public venues.
  • Follow the instructions of local authorities including movement restrictions related to any ongoing police action.
  • Monitor local media for breaking events and adjust your plans based on new information.

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

イギリス政府は危険レベルを地図上の色分けや文言の形式で示していません。

他方で、文章ではISISを含むイスラム過激派によるテロへの警戒、また一般犯罪への警戒を怠らないよう記載されています。

一般犯罪についての記述ではイギリス国民のフランスでの被害もパリの地下鉄やPER(パリ高速鉄道)内で多く発生しているとのこと。特にパリ北駅(Gare du Nord)、スタッド・ド・フランス駅(Stade de France)が要注意ポイントとして挙げられています。

 

なお、現在フランス政府による感染症対策の一環としてイギリスとフランスの間の入国は厳しく制限されている点、注意書きがあります。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。

france-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

フランスは5段階の真ん中、「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」と評価されています。特にテロについては「更なるテロの計画があるとの情報を継続的に入手している」と記載されており、オーストラリア国民に対し、テロの標的となりそうな場所では十分に注意するよう呼びかけています。

6.最近の治安ニュース

フランス北東部ムルト・エ・モーゼル県での過激派集中摘発(2023年12月22日)

フランスエッフェル塔至近での無差別襲撃事案(2023年12月2日)

フランス中部リヨン市内高校への襲撃事案(2023年11月10日)

フランス中部リヨン市街地での銃撃増加(2023年11月8日)

フランス首都鉄道車両での脅迫行為と警官の発砲(2023年10月31日)

フランス北部学校侵入・教師刺殺事案(2023年10月13日)

フランス西部アランソン住宅街での発砲(2023年10月1日)

フランス首都郊外警察官の発砲を巡る暴動(2023年6月28日)

フランス南部マルセイユ国鉄駅付近銃撃事案(2023年6月13日)

フランス南東部アヌシーでの小児刺傷事案(2023年6月8日)

フランス首都中心部路上での銃撃事案(2023年5月25日)

フランス南部マルセイユ市内銃撃事案の続発(2023年4月2日)

フランス中央部ラ・シャペルでの住宅地爆発炎上(2023年3月15日)

フランス首都大学構内での刺傷事案(2023年1月25日)

フランス首都パリ北駅付近無差別刺傷事案(2023年1月11日)

フランス首都北西地域高校前での衝突(2022年10月13日)

フランスノルマンディー地方での暴動行為(2022年9月27日)

フランス全土での針による攻撃事案(2022年6月13日)

フランス首都郊外警察への暴動事案(2022年3月28日)

フランス北西部大学構内での刺傷事案(2022年3月2日)

パリ市内ナイフを用いた人質立てこもり事案(2021年12月20日)

パリシャルリー・エブド付近ナイフ刺傷事案(2020年9月25日)

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