エクアドル治安最新情報(2024年4月)/海外安全.jp

0.エクアドルにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在エクアドル日本国大使館  :+593-(0)2-227-8700

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎緊急時窓口 :911(警察・救急・消防の総合窓口)

◎警察    :101

◎救急    :911

◎消防    :102

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

エクアドルに対しては、各国政府ともコロンビア国境付近、北部エスメラルダス県、スクンビオス県に対し、危険度が高いと評価しています。コロンビア国境付近には日本政府のみならず、他国政府も渡航を取りやめるよう勧告しています。
これら地域を除くと、各国とも強盗やスリへの注意が必要と記載はされているものの、オーストラリア政府を除き危険レベルはそれほど高く設定されていません。オーストラリア政府は犯罪件数が極めて多いことを背景として、首都キトを含め北部国境地域以外にも広く高いレベルの注意喚起を設定しています。
なお、日本政府外務省は首都キト市やその他主要都市での犯罪発生率、火山の噴火等を他国よりも重く見て、細かく地域を分けて「レベル1:十分注意してください」が設定されています。

【海外安全.jpのコメント】

エクアドルでは北部での麻薬組織、反政府組織等の活動に十分注意が必要です。イギリス政府のコメントにある通り、正式な国境出入国ポイント以外のコロンビア国境への立ち寄りは全くおススメできません。

また、北部エスメラルダス県、スクンビオス県を除き、各国が国内では相対的に安全と判断している地域でも銃器を用いた犯罪が多発しています。日本人も強盗や短時間誘拐の被害が発生している事実があり、エクアドルに渡航される際は各国のトラベルアドバイスを十分理解の上、ご自身および持ち物の安全確保を心がけるようおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域

・エスメラルダス県北部地域(サン・ロレンソ市及びエロイ・アルファロ市)

・スクンビオス県(南部ナポ川周辺の一部地域を除く)

・カルチ県(トゥルカン市とパン・アメリカンハイウェイ付近を除く)

これらの地域では2018年1月以降銃撃や爆発等の事案が相次いでいたり、コロンビアとの国境を越えて犯罪行為も辞さない反政府ゲリラ組織や麻薬組織が活動していることから「どのような目的であれ」立ち入らないように、との記載があります。

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

・グアヤキル市

・エスメラルダス県北部(エスメラルダス市、リオベルデ市)

・カルチ県のトゥルカン市と県内パン・アメリカンハイウェイ付近

コロンビアとの国境に近く、反政府ゲリラ組織や麻薬組織の活動地域に近いものの、当局の警備が十分に強化されているとの記載があり、同県他地域よりもレベル設定が緩和されています。また、2024年1月にグアヤキル市を中心に凶悪犯罪が相次いだことを踏まえ、グアヤキル市はリスクレベルが一段挙げられています。

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

レベル2、レベル3が設定されていない首都キト市を含む国土の主要部分(ガラパゴス島は除く)

2024年1月現在全土を対象として非常事態宣言/夜間外出禁止令が発令されていることを踏まえ、これまでリスクレベルが設定されていなかった地域にも「レベル1:十分注意して下さい」が新たに発出されました。4月に入り、同非常事態宣言は解除されましたが危険情報は引き下げられていません。上記地域では、凶悪犯罪の多発、自然災害(火山噴火)、先住民による外国人等への攻撃、等理由は様々ながら滞在中一定の注意が必要である旨明記されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土に「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」以上のリスクレベルが設定されていましたが、現在は国土の大部分が「十分警戒してください:Exercise increased caution」に引き下げられています。


グアヤキル市の南側一部

エルオロ県アレニージャス市及びウアキリャス市

ロスリオス県ケベド市、キンサロマ市、プエブロビエホ市

エスメラルダス県のエスメラルダ市及び同市以北

深刻な犯罪が多発していることから上記地域に対しては、最大級の危険レベルである「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。

グアヤキル市の北側一部

エルオロ県アレニージャス市及びウアキリャス市以外

ロスリオス県ケベド市、キンサロマ市、プエブロビエホ市以外

エスメラルダス県のエスメラルダ市よりも南側

スクンビオス県、マナビ県、サンタエレナ県、サントドミンゴ県

犯罪の発生状況を鑑み、上記地域にも上から二段階目となる「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

上記を除く全土は「十分警戒してください:Exercise increased caution」の対象です。殺人や短時間誘拐等凶悪な犯罪が多く、警戒が必要である旨注意喚起がなされています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

2023年6月中旬から反政府活動が全国的に広がっており、一部地域には非常事態宣言が発令されていることを踏まえ一時本土部分のリスクレベルが引き上げられていました。他方、6月末の抗議グループと政府間の合意以降事態が鎮静化していること受け7月6日付で国土の大部分は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」に戻されました。

他方で、コロンビアとの正式な出入国都市であるトゥルカン周辺を除く、コロンビアとの国境線から20キロの地域には「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されています。また、2024年1月上旬のグアヤキル市を中心とした暴動多発を受け、西側沿岸部も「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」にリスクレベルが引き上げられています。

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反政府抗議活動やストライキ以外にも強盗やスリが頻発していることが記載されています。目立つ装飾品を身に着けないこと、また荷物から常時目を離さないようにとのアドバイスが明記されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で国土の大部分が「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」にリスクレベルが引き下げられました。新型コロナウイルス拡大前よりも高いレベルの注意喚起が設定されている背景は犯罪件数の高止まりや市民騒擾のリスクがパンデミック前に比べて上がったと評価しているためです。
コロンビア国境付近については感染症拡大前と変わらず、「Do not travel : 渡航を止めてください」が継続しています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

エクアドルに対してはコロンビアとの国境から20キロ以内の地域(トゥルカン市周辺を除く)に対し、最大級のリスクレベルである「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。

パンデミック拡大前からエルメラルダス県、スクンビオス県の両県には上から二番目の「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されていました。これら地域は組織的な誘拐犯罪の発生が多い旨注意喚起があります。

首都キトを含む残る全土では市民騒擾のリスクは指摘されているものの、現時点では「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にとどまっています。

銃を用いた凶悪犯罪(殺人や強盗)を含め多数の犯罪が発生しているため、常時身の回りに危険がないか警戒を怠らず、現地では最新の報道にも注意するよう呼びかけられています。

6.最近の治安ニュース

エクアドル治安対策強化の国民投票可決(2024年4月21日)

在エクアドル メキシコ大使館へのエクアドル警察突入事案(2024年4月6日)

エクアドル全土治安対策のための非常事態宣言(2024年1月8日)⇒ 4月宣言解除

エクアドル大統領候補の暗殺に伴う非常事態宣言(2023年8月10日)

エクアドル西部市長殺害に伴う非常事態宣言(2023年7月24日)

エクアドル政府夜間外出禁止令の発令(2023年4月以降)

エクアドル国内USB型爆発物の郵送事案(2023年3月)

エクアドル首都韓国料理店での拳銃強盗事案(2023年2月24日)

エクアドル複数都市での連続爆発事案(2022年11月1日)

エクアドル首都裁判所での爆破未遂事案(2022年5月17日)

エクアドル刑務所での暴動と囚人脱走(2022年5月9日)

エクアドル刑務所内暴動に伴う非常事態宣言発令(2021年9月28日)

 

2019年10月上旬より燃料への補助金の廃止を含む政府の財政緊縮策が実施され、これに反対する市民デモにより、一時国全体に混乱が拡大しました。

 

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