セネガル治安最新情報(2024年4月)/海外安全.jp


0.セネガルにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在セネガル日本国大使館   :+221-(0)33-849-5500

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察 :17

◎消防 :18

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

セネガルに対しては、イギリス政府を除く3か国のリスク評価はほぼ一致しています。南部カザマンス地方での反政府武装勢力による活動及び関連する地雷への注意が必要であることから、日・米・豪の三か国は同地域に対し、一段高いレベルの注意喚起を発ししています。イギリス政府もリスクレベルに差はつけていないものの、文章で同様の注意喚起を行っています。
カザマンス地方以外では日本政府が東部マリとの国境に対し、やや高いレベルの注意喚起を発しています。それ以外の地域ではいずれの国も一般犯罪と政治的な不安定化に注意する旨共通の記載となっています。
首都ダカールをはじめ国内各地で貧困に起因するスリや窃盗、強盗などが報告されています。特に外国人は犯罪の格好のターゲットとされるとの記載もあります。

【海外安全.jpのコメント】

南部カザマンス地方を除けば、一般犯罪に十分注意をすることで、セネガル滞在をより安全に楽しむことが可能です。首都ダカールには国内各地から多くの人が流入しており、一部は定職がないままその日暮らしをしているケースもあります。特に裕福と思われる外国人旅行客を狙った犯罪は多数発生していますので、オーストラリア政府が記載するように、常に身の回り、持ち物に注意を払うことをおススメします。

 

南部カザマンス地方の情勢は徐々に改善していると考えますが、過去に敷設された地雷などが残留していますので、土地勘のない方は立ち入りを避ける方が無難です。ただし、ジガンショール市内はダカールやその他主要都市と同じレベルの警戒をしていれば観光等は可能と考えます。

2.日本政府の危険情報

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「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域

南部ジガンショール州のガンビア国境地域

南部ジガンショール州のギニアビサウ国境地域

「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

カザマンス地方のセジュー州、コルダ州のガンビア国境地域(コルダ州ベリンガラ県を除く)

カザマンス地方のギニアビサウ及びギニアとの国境地域

東部マリとの国境付近一帯

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土

 

南部カザマンス地方では、セネガル政府軍と反政府武装組織カザマンス民主勢力運動(MFDC)との間で武力衝突が繰り返されてきた経緯があること、またMFDCが敷設した地雷が依然として残っていることから、高いレベルの注意喚起が継続しています。

ただし、主要都市ジガンショール市内やガンビア、ギニアビサウ、ギニアとの国境付近を除く地域では武装勢力と政府軍の和平に向けた努力が奏功し、一部治安が落ち着いてきているとの分析がなされています。2024年2月28日付でカザマンス地方の多くの地域で危険情報が一段階引き下げられています。

また東部マリとの国境付近はマリを拠点とする武装勢力の活動が続いており、セネガル国内もテロや襲撃の標的とされる可能性が指摘されています。

 

上記を除く地域でも貧困や失業問題等により、外国人を狙った犯罪が多数発生していることが明記されています。特にダカール市内では犯罪被害が多くなっていること、また地方都市でも犯罪が発生していることが記載されています。人通りの多い場所はもちろんのこと、レストラン、ホテル等でもスリ、ひったくり等への注意が必要であるとされています。

 

また、過去に国民の政治的不満が高まった際、大規模な反政府運動が発生し治安当局が催涙弾等を用いて鎮圧した経緯があることも説明されています。現時点で民主主義が根付いており、政治的には安定しているとの記載もありますが、デモや集会等が発生した際の注意が必要であるとされています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

現時点では新型コロナウイルス感染症の影響はそれほどないと判断されており、新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。

カザマンス地方

凶悪犯罪が多発していること、また地雷が埋まっている危険性を背景に「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。

カザマンス地方を除く全土

特段の注意喚起はありません。
国土の大部分が「一般的な注意を払ってください:Exercise normal precaution」の対象となっています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

2022年11月28日付でそれまで、ガンビア国境付近に設定されていた警戒レベルが引き下げられ、現在全土が「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」に設定されています。

 

他国が発しているようなカザマンス地方への高い注意喚起はありませんが、文章では同地域で長く武装分離派勢力が活動していることなどが記載されており、十分に注意するよう明記されています。

セネガルの大部分では犯罪が多発している旨明記されています。特にダカール市内ではスリや銀行、両替等直後の現金盗難リスクが指摘されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で国土の主要部分が「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。

南部ガンビアとギニアビサウ周辺のカザマンス地方及び東部マリ国境には他の地域よりも一段高い「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

5段階中上から2番目となる「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されているのはジガンショールとカップシカリングを除く南部カザマンス地方の大部分です。

それ以外の全土に対しては5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

 

南部カザマンス地方では武装した地元強盗団などが暗躍しており、治安当局との大規模な衝突がしばしば観察されることを理由に他の地域よりもレベルが一段高く設定されている旨説明されています。ただし、カザマンス地方でも中核都市であるジガンショールとカップシカリングでは同地域の中では比較的治安が安定していることも記載されています。

カザマンス地方以外の全土に対しては、犯罪が多発していること、また市民騒擾のリスクもあることから、やや強めの注意喚起が設定されています。セネガル滞在中は常に自身の周囲の状況に注意を払うこと、また地元ニュース等に注意することなどが呼びかけられています。

 

以下参考情報として新型コロナウイルス感染症拡大前に表示されていたリスクマップを示します。当時に比べ、マリ国境の警戒レベルが引き上げられている点はご注意下さい。

6.最近の治安ニュース

セネガル野党党首の逮捕に伴う混乱(2023年7月28日)

セネガル野党党首の実刑判決に対する抗議デモ(2023年6月)

セネガル野党主導の大規模抗議活動(2023年3月)

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