イラク北部エルビルへのイランによる攻撃

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2024年1月16日現地未明、イラク北部クルド人自治区中心都市エルビルで少なくとも8回の爆発音が確認され4名が死亡しました。イラン革命防衛隊が同市内にあるイスラエル関係機関をミサイル等で攻撃したとされており、中東情勢の余波がイラク北部にも及んだと言える事態です。

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エルビル市内の住宅街でミサイルによって破壊された建物(ロイターのウェブサイトよりキャプチャ)

イラン革命防衛隊の声明によれば、本事案はイラク北部を拠点とするイスラエルのスパイ組織、反イランのテロリスト組織を破壊するために行われたとされています。イラク政府及びクルド人自治区政府は住宅街で民間人の犠牲者が出たとして、本件をイランによるイラクへの侵略であると非難しています。両国関係の悪化が懸念されることは間違いありません。ただし、本件はイランとイラクの二国間関係に留まらず、イスラエルとパレスチナの紛争を発端としてイスラエルやアメリカがイランが関与する武装勢力への攻撃を実行していることにも関係します。今後中東情勢はより広い範囲で軍事的衝突が発生しうる状態であると言えます。

 

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