2023年12月23～24日にかけ、ナイジェリア中央部プラトー州の20か所以上で武装勢力が一般人の集落を連続して襲撃する事案が発生しました。少なくとも113名が死亡、300名以上が負傷しています。死者数は更に増加する恐れもあります。犯行グループの詳細は現時点で不明です。
週末の襲撃はナイジェリアでも過去最悪級の民間人被害を伴う襲撃事案と言えます。ナイジェリアでは直近特に北部から中央部で治安情勢が悪化しているとの指摘がなされており、武装勢力の活動が活発化しています。既に治安当局が治安改善に向けた取り組みを強化してはいるものの、なかなか抑制が効いていないのも事実です。先週末発生した一連の襲撃事案を受け、プラトー州の州知事は「無関係の一般人に対する残忍な攻撃を阻止するため、予防的な対策を強化する」と宣言していますが、効果は未知数です。
なお、本件のような襲撃は一般的にアルカイダやISISのような国際テロ組織によるものというよりも、武装した盗賊集団（バンディッツ）によるものであることが多いとされています。社会システムから取り残された、あるいは極度の貧困等の背景から略奪によって生計を建てざるを得ない層が一定程度存在していることは間違いありません。
今般事件が発生したプラトー州は日本政府危険情報では「レベル２」となっていますが、アメリカ、オーストラリアはリスクをより厳しく見積もっていたエリアだったと言えます。日・米・英・豪のトラベルアドバイスを比較し、俯瞰的にナイジェリアの治安を観察していただくことをおススメします。
【参考】ナイジェリア治安最新情報
