アフガニスタン国内の米軍基地図も公開されてしまった
前のページでご紹介したような検証作業を真剣にやろうとすると、いかに公開情報だけを用いていると言えども相当の時間と根気がひつようです。しかし、世の中面白いもので、かなりの極秘情報でもおかしくないものが全く無防備な公開状態で「拾えてしまう」ことだってあるのです。
その一例がコチラ。アフガニスタンのヘルマンド州にある米軍敷地内の道路マップです。
アフガニスタンと言えば、アメリカを中心とした欧米各国が支援する現政権と、それに対抗するタリバン勢力の間で15年以上戦闘が続いている場所です。戦争相手の敵陣内部配置はのどから手が出るほど欲しい情報のはず。ところが、基地内で鍛錬のためにランニングをしている米兵が使っていたフィットネスアプリの記録から、基地敷地内のランニングルート=すなわち道路事情が丸わかりになっていたことが判明しました。
この後どうなったか?ですか?もちろん、この後米軍ではこうしたスマートウォッチやクラウドに接続されたフィットネスアプリの使用を禁止しました。
これは特殊な人脈や裏金による情報収集の結果わかったものではないのです。また、非公開情報の意味がなくなったわけでもありません。スパイが重宝された時代(←冗談ではなく)とは違い、インターネットに何でもかんでも情報が集まるようになった結果、公開情報は質も量もかつてとは比べ物にならないほど充実したことが根本的な「ゲームのルール」を変えたのです。
公開されている情報をどのように組み合わせるか、はまた近いうちにご紹介するとしましょう。
しかしながら、
「公開されている情報しか手に入らないので、自分たちの身を守るには不十分」
「スパイのような人たちが集めてくる非公開情報こそ安全対策の一丁目一番地!」
といった考えは時代錯誤であるということをご理解いただけたらな、と弊社では考えています。