「海外での安全対策」
と一口に言いますが、
1)自分自身の身を守るための知識・ノウハウ、
2)組織として関係者・資産を守るための知識・ノウハウ、
3)組織内で安全対策の専門家とやりとりできる人材を育成するノウハウ、
4)緊急事態が発生した際の経営層の対応要領、
みなさんご想像の通り、
それぞれ異なる内容になります。
1)は海外に派遣される方すべてが
ある程度知っている必要があります。
出張者や海外赴任前に基本を押さえるだけでも
命を守れる確率が上げられます。
2)は関係者すべてが知る必要はありませんが、
海外事務所の責任者や本社の人事・労務関係者は
多少なりとも押さえておかなければなりません。
また、緊急事態が発生した場合の対応は
専門の会社等に任せていると思いますが、
それで十分でしょうか?
世界各地でテロが頻発し、
報道でも取り上げられることが増えた今日、
組織として安全対策に
どのように取り組まれていたか、
が問われる時代になっています。
これまでは強く求められてこなかった
3)や4)の知識は必須といえるでしょう。
こうした準備なしに緊急事態に直面すると、
最悪の場合
「あの会社はろくに安全対策もせず、
海外に従業員を送るブラック企業だ」
というレッテルが張られてしまうかもしれません。
思えば、
「ワークライフバランス」
という言葉、
普及しだしたのはつい数年前です。
同じ国でかつて
「24時間働けますか」
という言葉が流行りましたが、
今や180度方向転換しています。
業務の効率化にコストをかけるなどありえない、
という社会風土から
働き方改革、残業削減に取り組まない企業は
「ブラック企業」として名指しされかねない
経営環境になっています。
同様に、今は
「安全対策はコスト」
と捉えられがちですが、
近い将来、
「安全対策は必要な投資であり組織の責務」
と言われる時代は近いのではないでしょうか?
1)〜4)の要素を揃えることが、
組織全体の安全対策の第一歩と言えます。