安全対策の「辞書」とも言える国際テロリズム要覧
海外で事業展開されている企業にとって、従業員、関係者の安全を守ることは必要不可欠です。
工場や作業中の事故で死傷者が出ないようにする、
職場内でのセクハラやパワハラを防ぐ、
過剰な残業等による過労を防ぐ
といった取り組みをしていない企業はかなり少なくなっていると思いますが、海外での従業員・関係者の安全確保に主体的かつ十分取り組んでいる企業はまだ「先進的」と言えます。特に新型コロナウイルス禍以降、業務として海外に派遣した従業員の安全と健康を守ることは企業の責務の一つと言えるようになってきました。厚生労働省の統計によれば、この二年の間で業務上海外に渡航していた方がコロナウイルスに感染したケースの内、53名の方が労災を申請し、少なくとも42名(約80%)が労災であるとして認定されています。
さて、ではどのようにすれば海外に派遣した従業員を危険から守るために企業が努力していたと言えるのでしょうか?まずは従業員を送り出す世界各地の状況を企業側が把握しておかなければなりませんよね。日本国内で海外の情報収集をされる日本企業・団体の方の多くはその情報源が多すぎることに困っているように見えます。本セミナーではまず海外での安全管理業務を効率的に行うための情報収集元をご紹介。特に信頼のおける活用すべき4つのレポートについて簡単に説明しました。
そのうちの一つが日本政府法務省傘下の公安調査庁が毎年発行している「国際テロリズム要覧」です。タイトルに「テロリズム」と入っているので、いやいや我々の進出先はそんな物騒ではないですよ…と考えてしまう方も多いかもしれません。しかし、日本では「テロ」事件に巻き込まれることはまずありえませんが、世界各地では先進国も含め意外と死者を伴う「テロ」事件が発生しています。
国際テロリズム要覧2022の概要と質疑応答
こうした背景を踏まえ、当サイトで活用をおススメしているのが公安調査庁が毎年発行している「国際テロリズム要覧。今年2022年も6月下旬に発行され、順次セキュリティ関係者には配布されています。ただし、一般企業の方、あるいは海外に駐在・出張される方がなかなか目にすることのない冊子であることは間違いありません。
今回のセミナーでは、従業員・関係者の命を守るために必須の世界の治安情勢把握に欠かせない「国際テロリズム要覧」とはなにか?から丁寧にご説明しました。全部で約450ページもある冊子ですし、アフガニスタンやシリア、あるいはイラクといったおそらく読者の皆さんが関係しないであろう国・地域で活動する武装勢力の解説の分量も多いです。そのため、セミナーではこの冊子を「辞書」と表現し、必要な時だけ検索するために使ってください、とご説明しています。
その他、代表の尾崎をはじめ当サイトを運営する(株)海外安全管理本部でこの冊子をどのように活用しているか、また「国際テロリズム要覧」ウェブ版との使いわけ方など、安全対策を担当してはいるけれどどこから始めたらいいんだろうか?という方にはその日から役立つ実践的な活用法もご説明させていただきました。ただし、公安調査庁には海外での邦人保護の役割はありませんので、情報源として参考にしても、海外で困ったからと言って公安調査庁に頼っても助けてもらうことはできません、との注意も。海外でトラブルに巻き込まれた際の窓口は日本政府外務省/大使館/総領事館であることも明確にご説明させていただきました。
今年の「国際テロリズム要覧」のポイントとして弊社が注目している記述や、2001年アメリカ同時多発テロから20年を経てタリバンやISILと言った国際テロ組織の活動状況がどうなっているのか?また直近テロが頻発するアフリカの状況についても公安調査庁の記載内容を基に解説させていただきました。最後に質疑応答の時間も設け、ナイジェリア情勢やコロナ禍でローンウルフ型のテロの発生件数がどのように推移しているか、等回答しています。
オンラインセミナーの概要報告をお読みいただきありがとうございました。内容をご覧になって弊社のコンサルティングをご希望される場合、あるいは無料・有料セミナーにご関心をお持ちいただけるようであればこちらからお気軽にお問合せ下さい。また、今回公安調査庁発行の「国際テロリズム要覧」を知らなかったという方からもセミナー内容に高評価を頂きましたので、今後も定期的に類似のセミナーを開催したいと考えております。もし、ご関心がある方は毎週月曜日に当サイトの更新情報やピックアップコラムと共にセミナー開催予定をお送りするメールマガジンにもご登録をお願いします。
なお、次回のオンライン無料セミナーは8月22日開催予定です。お申込みはこちらからも可能ですので少しでもご興味をお持ちいただけた方、海外事業展開先に駐在・出張される方がより安全第一に行動してもらうためにどんな取り組みが必要なのか?とお悩みの方は今すぐアクセス下さい!
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