パキスタン宗教政党による暴力的抗議活動

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2021年10月27日パキスタン東部パンジャブ州ムリドケで極右イスラム政党パキスタン・ラバイク運動(TLP)による抗議行進時に警察との衝突が発生しました。警官少なくとも4人が死亡、250人以上が負傷したと報じられています。各種証拠から抗議に参加していたTLP関係者が警察に向け発砲したことがわかっており、今後の暴力的な衝突に十分注意が必要です。

パキスタン当局はTLPを違法な団体として活動を禁止していますが、指導者が収監されている状況下においても民衆の一部がその主張を支持をしています。治安当局側もTLPとの交渉を行い、今週に入り350人の関連活動家を釈放するなど妥協の姿勢を見せていますが、TLP側は指導者の釈放を求めた行進を止める気配が現時点でありません。

 

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囚人輸送用の警察車両を奪い、雄たけびを上げるTLP支持者ら(アルジャジーラのウェブサイトよりキャプチャ)

なお、TLPは先週末にパンジャブ州の州都ラホールを出発し、首都イスラマバードに向けて行進中です。ただし進む速度は極めて遅く、行進開始から4日経った今もまだラホール郊外のムリドケ北側郊外を進んでいる状況です。

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ラホールからイスラマバードに向かう「ロングマーチ」のコースと今回衝突が発生したムリドケの位置(グーグルマップを活用して当サイト作成)
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