2023年6月に入り、ブラジル中部サンパウロ近郊のカンピナス市周辺でダニ媒介性の紅斑熱が流行しています。これまで少なくとも4名が死亡しており、現地保健当局は注意を呼び掛けています。
ダニ媒介性の紅斑熱はダニによって媒介されるリケッチアと呼ばれる微生物による感染症です。通常はげっ歯類が「レゼルボア」となってダニとの間で細菌の生存が維持されています。5月27日にカンピナス市の農場で開催されたイベントで感染したと思われる10代~40代の4名が紅斑熱を発症し死亡しています。
6月3日のイベントに参加した女性らも感染の可能性があるとして入院し経過観察中となっています。14日にカンピナス市は特定の地区内にある農場等でリケッチアが体内にいる紅斑熱の感染源となりうるダニが生息していることを示す看板の設置を義務付けるほか、農場等で肌の露出を避けるよう呼び掛けています。
在サンパウロ日本国総領事館でも以下の通りダニ媒介性紅斑熱の症状等を紹介し、周辺に滞在中の日本人に注意を呼び掛けています。農場を訪問する際には、肌の露出を避けるために長袖、長ズボンを着用し、十分ご注意ください。また、野生のカピバラなどのげっ歯類には、直接触れないようにしてください。