パキスタン北西部宗教政党を狙った爆発

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2023年7月30日パキスタン北西部バジョールで政治政党の集会を標的とした爆弾テロが発生しました。少なくとも40名が死亡、120名以上が負傷しています。同国では本年中に総選挙が行われる予定であり、政治に絡む暴力が増加する恐れが指摘されています

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爆発後犠牲者らを救急車に運ぶスタッフら(現地Dawnのウェブサイトよりキャプチャ)

爆発が発生したのは、過去連邦直轄部族地域(FATA)と呼ばれていた地域であり、現在はハイバル・パフトゥンハー州の一部となっているバジョール郡の中心都市です。FATA及びハイバル・パフトゥンハー州で支持者の多いイスラム教に基づく政治を訴える政党JUI-Fの政治集会で同党幹部が演説中爆発が発生しました。爆発が発生した際、周辺には政治家や支持者らに加え、ジャーナリストら1000名程度が集まっていました。死者には同党の地域要職者やジャーナリストも含まれているとのことです。

 

現時点で犯人は不明であり、犯行声明等も確認できていません。パキスタンでは現在選挙に向けた臨時政府擁立に向けた人選が進められています。本年末までには総選挙が行われる予定であり、今後各政党の政治活動が活発化することが見込まれます。選挙に向けた各種政治活動を標的とした暴力の増加には十分な注意が必要です。

 

本事案についてはアフガニスタン・パキスタンを中心に武力活動を継続しているISISホラーサン支部が犯行への関与を発表しています。

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