2024年1月7日にバングラデシュで総選挙が行われることが発表されました。10月末から既に野党勢力を中心として選挙に向けた抗議活動や道路封鎖などが行われていましたが、今後政治活動が一層活発化する見通しであり、安全上の注意が必要と言えます。
バングラデシュではこの15年、現在の首相であるシェイク・ハシナ氏が率いるアワミ連盟が政権を担っています。対立する野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の党首カレダ・ジア氏は長く自宅軟禁されており、BNPは公平な選挙が行われないとして今回の選挙をボイコットする可能性が示唆されています。また、イスラム教主義を掲げる政党も現行の選挙方式には抗議しており、対立が激しくなっています。
10月末に行われた反政府抗議活動では衝突の結果死者が発生しており、今後選挙が近づくにつれて抗議活動が活発化することや治安当局によるデモ・集会の取り締まり強化などが見込まれます。加えて、現在バングラデシュ国内では低賃金で働くアパレルメーカー工場勤務者らの賃上げ要求デモやストライキも頻発しています。「政治の季節」を控え、政党とは別に各種の主張を行うグループが集会やデモ行進を行うことも想定される状況です。
現地滞在中の方は最新の情報に十分注意し、もし群衆が集結している地点を見かけた場合には速やかにその場を離れ、迂回ルートを探すといった安全上の工夫を怠らないよう推奨します。