パキスタン首都での野党支持者と警官隊の衝突

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2024年10月4日、パキスタン首都イスラマバードで野党PTIによる大規模な抗議デモが発生し、警官隊と激しく衝突しました。警官隊は首都中心部で催涙弾等を用いた他、幹線道路をコンテナで封鎖するなど市内の移動に支障が出ています。翌5日には東部ラホールでも大規模な抗議活動が行われました。

 

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治安当局が設置したコンテナ周辺で木の枝等に放火し、警官隊との衝突に備えるPTI関係者(アルジャジーラのウェブサイトよりキャプチャ)

逮捕・拘留が続いている前首相イムラン・カーン氏が率いるパキスタン正義運動の関係者は金曜日から首都イスラマバード市内で、ハイバル・パフトゥンハ州知事を中心とした連邦政府への抗議デモを実施していました。抗議者は少なくとも数千人に上り、市内幹線道路の一本を完全に封鎖し、イスラマバード市内に入ろうとしたところ警官隊が催涙ガス等を用いて衝突が生じました。PTI関係者はカーン氏の釈放を強く要求し、幹線道路上で木の枝を燃やす等の行為に及んでおり、軍が出動し、沈静化するまで衝突は続きました。

大規模な死傷者の情報はありませんがPTIの幹部を含む30名以上が逮捕されたと報じられています。本事案も踏まえ、翌5日には東部ラホール市内のミナール・パキスタン周辺でも反連邦政府抗議デモが発生しました。こちらも警官隊と一部衝突が発生したとのこと。
パキスタンにおいては政治的な背景から抗議デモが発生しうる他、現下の状況で反イスラエル、反米デモも発生しやすい状況です。万が一滞在中に群衆や警官隊、あるいは軍の集結地点を見かけた場合には速やかにその場を離れ安全確保を優先するようおススメします。
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