カナダ小児の狂犬病による死亡事案

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2024年10月2日カナダ東部オンタリオ州保健当局は狂犬病に感染した小児が死亡した事案があった旨発表しました。自宅で就寝中、コウモリが寝室に侵入していたものの特段異常がなかったため病院での治療が行われず発症、死亡に至ったとされています。狂犬病は知識の有無が生死の別れ目になる感染症です

 

当局の発表によればオンタリオ州のサドバリー地区の住宅街で夜間子供の寝室にコウモリが侵入していたことを翌朝両親が発見しました。子供の状態を確認したもののコウモリによる咬傷や引っかき傷、唾液の痕などがなかったため、病院での診察や狂犬病ワクチンの接種を行わなかったところしばらくして子供が狂犬病を発症、死亡してしまったとされています。

当局は周辺住民への注意喚起としてコウモリの歯は非常に小さく、一見して異変がなかった場合でも傷を見つけることは難しいため、コウモリと接触の可能性がある場合には病院に相談するよう呼びかけています。

日本政府厚生労働省が発表している世界の狂犬病発生状況。カナダ、アメリカはもちろん欧州の大部分も死者が報告されている

 

日本では根絶されているがゆえに、日本人の警戒が十分ではない感染症の一つが狂犬病です。狂犬病は全世界の大多数の国で感染者が報告されており、国によっては数千人単位で毎年死亡原因となっています。これは、犬や野生動物等に接触した後、狂犬病を発症した場合には致死率が100%となるウイルスの特性によるものです。

 

ただし、狂犬病は感染の疑いがある事象から発症までの間にワクチン等正しく処置することで発症・死亡を防ぐことが可能です。知識の有無が生死を分ける感染症ですので、今一度科学的・医学的な基礎知識をご確認下さい。

【参考コラム】知識の有無が生死の分かれ目になる場合

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