パキスタン南部カラチでの集会禁止措置

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2024年10月13日カラチ市は17日までの間、市内全域で5人以上が集まることを全面的に禁止する旨発表しました。イスラム教政治団体と人権団体の衝突懸念や前首相が率いる野党の集会が呼びかけられていることから、混乱を予防する目的で措置が発表されています。

 

パキスタンでは治安上の懸念がある場合に法律に則り国内の全部あるいは一部で複数名が集合することを禁止することが可能です。今般、カラチを州都とする南部シンド州でイスラム教の冒涜容疑をかけられた人物が殺害された事件に関し、本件冒涜容疑が事実誤認に基づくものであり、人権侵害があったと主張するグループが複数地点で抗議活動を呼び掛けています。13日にはカラチ市内中心部のプレスクラブ周辺で小規模な衝突が発生した他、当面イスラム教宗教団体やそれらに支持された宗教色の強い政治団体と人権団体の衝突も懸念されます。

 

加えて、イムラン・カーン前首相率いる野党PTIも同氏の釈放を含む反政府抗議活動を首都で行うことに合わせ、15日に国内都市部で参集するように呼び掛ける動きもあります。PTIと治安当局は首都イスラマバードや東部パンジャブ州の州都ラホール等でもたびたび暴力を伴う形で衝突しており、カラチ市内でも混乱の発生が否定しきれません。

こうした背景を踏まえた集会禁止令が17日まで発令されていることを前提に、現地滞在中の日本人皆様は安全にご注意の上、行動いただくようおススメします。なお、明日15日からは首都イスラマバードで上海協力機構(SCO)の首脳会合が開催されることになっており、既に中国の李強首相が現地入りしています。首都イスラマバードは通常以上の厳戒態勢で警備が敷かれていますのでこちらもご注意下さい。

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