2025年6月1日ロシア東部の少なくとも5つのロシア軍基地に対しドローンを用いた攻撃が発生しました。攻撃はウクライナ保安局が実施したものであり、内2か所についてはロシア側も被害を認めています。一部地点はウクライナから4000キロ以上離れており、ロシア東部滞在中の方も今一度軍事衝突の影響にご注意下さい
ウクライナとロシアの軍事衝突の影響により、ロシア国内でもたびたびドローンやミサイルを用いた攻撃が発生しています。首都モスクワにも5月28日、29日と連日ドローン攻撃が発生していましたが、今回はウクライナからかなり距離のあるシベリア・極東地方への攻撃が初めて行われた点が注目されます。攻撃が発生し、ロシア軍側が被害を認めたのは1)ムルマンスク州オレニヤ、2)イルクーツク州ベラヤの二か所です。これらに加えて極東のアムール州ウクラインカ、及びモスクワに近いリャザン州ディアギレヴォ、イワノヴォ州イワノヴォにも攻撃が行われた模様です。
特に極東での攻撃はウクライナ国境からは4000キロ以上離れており、ウクライナによる攻撃の範囲が拡大した点に注意が必要です。航続距離の関係から、ウクライナから飛び立ったドローンで直接攻撃するのではなく、攻撃の標的近くまで住宅建築用資材として運ばれた荷物の中にドローンを隠して輸送し、軍基地付近で飛行を開始したものと想定されています。ウクライナ保安局(SBU)は本作戦に一年以上の準備をかけたこと、また推定41機のロシア軍戦闘機を破壊した旨を主張しています。被害の全体像は客観的に確認できていませんが、ロシア軍の発表等からも一定程度戦闘機が破壊されたことが想定されます。
これまで攻撃が発生していなかった極東やシベリア地方でもウクライナによる攻撃が起こりえることを踏まえ、今一度ロシア国内に滞在中の方は現在ロシアが「戦時下」にある点を確認し、滞在中の安全管理に十分ご注意下さい。