2025年8月3日イスラエルの現職閣僚がユダヤ教徒の一団を率い、エルサレム旧市街神殿の丘で礼拝をおこないました。同地はイスラム教聖地内であり、ユダヤ教徒は礼拝を行わないことが慣行でしたが、今般それを破ったことで政治的・宗教的緊張の高まりが想定されます
本件は3日、イスラエルの国家安全保障大臣、グビール氏がイスラエル人を率いてアル・アクサモスク構内に位置する神殿の丘で礼拝を行ったことが発端です。同地はユダヤ教・イスラム教双方にとって極めて重要な宗教施設であり、イスラエルとヨルダンの間では「ユダヤ教徒は訪問可能だが礼拝は禁止」とされてきました。過去政治的、宗教的配慮から現職の閣僚が同地で礼拝を行うことはありませんでしたが、過去アラブ諸国との間で暗黙の合意があった慣行を破った形になります。この行為に対し、パレスチナはもちろんヨルダンやサウジアラビアも即座に非難声明を発しています。
また、アラブ諸国の国民感情を逆なでする行為であることは間違いなく、政府による外交的な非難声明のみならず一般の人々による反イスラエル、反ユダヤ、あるいは親パレスチナを主張する集会や行進が企画される可能性があります。周辺滞在中の方は最新情報に注意し、万が一混乱や衝突が発生している場面に遭遇した場合には速やかにその場を離れる等安全確保を第一に行動することをおススメします。