2025年9月10~11日にかけフランス全土で発生した抗議デモが一部暴徒化し、パリを含む複数都市で治安当局との衝突が発生しました。放火等暴力行為も報告されており全国で少なくとも200人以上が拘束されました
今回の抗議行動は2026年度国家予算案に対する反発を背景に、草の根市民運動「Bloquons tout(すべてを止めろ、英語ではBlock Everything)」が呼びかけたものです。特に、祝日削減・年金凍結・医療費削減などの緊縮政策に対する不満が広がっており、SNSを通じて全国規模の抗議が組織されました。
9月10日には、パリ市内で複数の交差点が封鎖され、デモ隊の一部が火炎瓶や発煙筒を使用。警察は放水車や催涙ガスで対応し、80,000人規模の治安部隊が全国に展開されました。11日には、ナント、マルセイユ、リヨンなどでも同様の抗議が続き、公共施設や商業施設の一部が閉鎖される事態となりました。全土で抗議活動に参加した人数は警察発表で20万人、主催者側発表の合計では25万人規模になります。
フランス政府は「デモの権利は認めるがあくまで平和的なものに限り、暴力行為は容認しない」との姿勢を示しており、内務省は今後も警戒態勢を維持すると発表しています。現地では交通機関の遅延や一部空港の運航制限も報告されており、現地滞在中の方、これからフランスへ旅行を計画中の方は最新の現地情報を確認するようおススメします。