イエメン首都国連施設への襲撃事案

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2025年10月18日イエメンの首都サナアでイスラム系武装組織フーシが国連施設を襲撃しました。現地国連組織の発表によれば国連職員20名が一時拉致・拘束されているとのこと。通信機器等も奪われており、同国の不安定な治安情勢を示唆しています

 

拘束されたのは、世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)、国連人道問題調整事務所(OCHA)などに所属する職員であり、イエメン人5人と外国人15人とのこと。襲撃を受けた国連施設内で拘束された後、事情聴取後に11人が解放されたと発表されています。

フーシ派の襲撃時には、電話やパソコン等通信機器がすべて押収されており、国連機関の機能は著しく制限されている状況です。国連は現在フーシ側とも連絡を取り、拘束された職員の即時解放と国連施設の完全な管理権の回復を求めています

 

フーシ勢力は近年、イエメン国内のサナア市周辺、紅海沿いのホデイダ市周辺、北西部サアダ市などの支配地域で、国連や国際機関に対する締め付けを強化しており、これまでに50人以上の国連職員が拘束されたとされています。 2025年1月下旬~2月上旬にかけサアダ州で拘束されたWFP職員が死亡する事案も発生しています。 フーシ側は「スパイ容疑」を根拠に拘束を繰り返していますが、国連はこれを根拠のない主張として強く否定しています。国連は関係職員の安全管理上の懸念からサアダ州での活動を一時停止し、人道調整官の拠点をサヌアからアデンへ移転する措置も取っています
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