2025年10月22日現地朝セルビアの首都ベオグラード市中心部にある国会議事堂前で銃撃および放火事件が発生しました。1名が太ももを撃たれ重傷ですが命に別状はありません。犯人は逮捕済みで、現在事件現場は封鎖されています。
現在セルビアでは反政府デモが断続的に行われており、大統領支持派はデモ隊が国会議事堂や大統領官邸等に接近しないようテントを張って公道上に居座っています。今回の事案はそうした大統領支持派のテントに反政府側の男が侵入し、銃撃・放火を行った事案です。
現地報道によれば、70歳の男がテントに接近し、付近にいた57歳の男性を銃撃した後ガスボンベを破裂させてテントに火を放ったとされています。負傷者は太ももを撃たれ、緊急手術を受けたものの容体は安定しているとのことです。犯人はその場で拘束され、警察が現場を封鎖し捜査を開始しました。
事件発生時には反政府抗議活動は行われていませんでしたが、昨年11月の鉄道駅屋根崩落事故以降、ヴチッチ政権に対する抗議活動が継続しており、政治的緊張が背景にあると見られています。ヴチッチ大統領は事件直後に記者会見を開き、「これは他者と財産に対するテロ行為であり、容認できない」と強く非難しました。現時点で犯人の動機や政治的背景は明らかにされていませんが、事件は11月1日に予定されている抗議集会を前に、政情不安の象徴的事案として注目されています



