2025年11月18日、ナミビアの首都ウィントフックでクリミア・コンゴ出血熱の発生が確認されました。現地保健社会福祉省はWHOの基準に従い「アウトブレイク」と認定し、全国的な対応措置を発動しています。感染を媒介するマダニや家畜との接触を避けるよう十分ご注意ください。
ナミビア保健社会福祉省は、ウィントフックで入院した患者がクリミア・コンゴ出血熱に感染していたと発表しました。患者は11月18日に入院し、翌日死亡しました。現時点では確認された症例は1件ですが、同省はWHOの基準に従い「アウトブレイク」と認定し、全国的な対応措置を即時に発動しました。ナミビアでは2016年から2023年の間に7例の感染と4例の死亡が記録されており、今回の事例は再流行の可能性を示すものとされています。
保健相は国民にパニックを避けるよう呼びかけつつ、接触者追跡や監視体制を強化し、地域レベルでの公衆衛生介入を開始しました。感染経路はマダニの咬傷や家畜との接触、感染者の体液曝露などで、人から人への感染も起こり得ます。症状は発熱、筋肉痛、頭痛、吐き気、下痢など急性に現れ、重症化すると出血傾向や意識障害を伴い、致死率は10~40%です。特効薬やワクチンはなく、早期の集中支持療法が生存率を改善するとされています。
現地保健社会福祉省からは、草むらや牧草地での活動時に防護服を着用し、屋外活動後はマダニの有無を確認することが呼びかけられています。現地滞在中の方は、体調管理と衛生対策を徹底し、万が一発熱や出血などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。


