2025年12月7日以降タイとカンボジアの国境付近で両軍の交戦が再燃しています。軍人のみならず民間人にも死傷者が出ており、周辺住民に大規模な避難指示が出されました。
衝突は12月7日夜から始まり、タイ軍はカンボジア軍による攻撃で兵士が死亡、複数が負傷したと発表しました。これを受けてタイ軍は翌8日、国境沿いの複数の軍事目標に対する空爆を開始し、戦闘はシーサケート、ブリラム、スリン、ウボンラチャタニなどタイ東北部の広範囲に拡大しました。タイ政府は住民約36万人以上に避難を指示し、仮設避難所で食料や医療支援を提供しています。一方カンボジア国防省は「タイ軍から攻撃を受けたが報復はしていない」と主張し、両国は互いに停戦合意違反を非難しています。
なお、両国の衝突の背景にはプレアヴィヒア寺院周辺の領有権問題があり、2008年以来断続的に衝突が続いてきました。今年7月に大規模衝突が発生し、10月に米国仲介で停戦合意に署名しましたが、今回の戦闘再燃はその合意の破綻を示しています。
国境地帯では今後も不測の事態が発生する可能性が高いため、万一近隣の地域に滞在している場合は現地当局の指示に従い速やかに避難してください。また国境地帯ではない両国首都や観光地を含む都市部ではそれぞれの軍を支援し、相手国を避難する住民集会等が呼びかけられる可能性も否定できません。
外国人である日本人が国境紛争に関連した集会に参加する必要性はまずありえませんので、こうした群衆には絶対に近づかないようおススメします。



