2025年12月26日フランスのパリ市内で地下鉄利用者が立て続けに刃物で襲われ負傷する事案が発生しました。被害者はいずれも女性で3つの駅でそれぞれ一人ずつが襲撃されています。同日夜に首都北部郊外で犯人の男が逮捕されています
26日現地16時頃から約30分ほどの間に、パリ中心部を走る地下鉄3号線のオペラ駅、アール・ゼ・メティエ駅、レピュブリック駅の3つの駅で女性がそれぞれ刃物で襲撃されています。いずれの被害者も救急隊により搬送され、命に別状はないと伝えられています。パリ警察は監視カメラ映像や携帯電話の位置情報を基に特定され、同日夜、パリ北部のヴァル=ドワーズ県で逮捕されています。
警察が逮捕した容疑者はマリ国籍でフランスには不法滞在状態であったと報じられています。また本件は単独犯行とみられており、テロではないと判断されています。ただし、動機については現時点で不明であり捜査当局による取り調べが行われています。事件発生時は年末の繁忙期で、駅構内には多くの利用者がいたことがわかっており、日本人を含む外国人観光客が被害に遭っていても不思議ではありませんでした。
パリ市内の公共交通機関では、混雑時間帯を中心にスリや暴行などの犯罪が散発的に発生しており、今回のような無差別的な刃物事案も過去に確認されています。フランス国内の治安維持を担当するフランス内務省が発表する同国テロ警戒レベルは最高レベルで維持されていますが、今回の事案を受けさらに公共交通機関での警戒を強める方針を示しています。


