2025年12月30日バングラデシュのカレダ・ジア元首相がダッカ市内の病院で死去しました。同国政府は3日間の国家服喪期間を設定することを発表し、31日国会議事堂前で国葬が行われます。当面政治集会等の発生可能性が高く、注意が必要です
ジア氏は最大野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の党首として長く同国政治の中心におり、特に同国初の女性首相として国内で知名度、人気ともに高い政治家の一人でした。80歳という高齢であり、長年呼吸器・循環器系の病気を抱えていたこと、また数日前から容体がさらに悪化している旨発表されていたことから死亡そのものには不審な点はありません。
現在暫定政権が率いるバングラデシュ政府として、国家に功績のあった一人として国葬を行うこと、また1月1日まで国家として喪に服すことを発表しており最大限の敬意が払われる予定です。同時にジア氏が率いていたBNPは党独自の服喪期間7日間に設定し、全国に多数存在する政党事務所で喪章に相当する黒い旗を掲げる旨発表しています。
なお、ジア氏は2024年8月に失脚し、事実上インドに亡命したアワミ連盟のハシナ元首相とはライバル関係にありました。この点でジア氏の死去を契機として特に、BNP支持者の間では強い反発や抗議行動が発生する懸念が指摘されています。現時点で大規模な混乱は報告されていませんが、国葬当日および服喪期間中は、ダッカ市内を中心に集会・デモが発生する可能性があり、治安当局は警戒を強めているとされています。



