11月12日イギリス保健省はモロッコで猫に噛まれた英国人が狂犬病のため死亡したと発表しました。同省は改めて海外での狂犬病感染リスクを注意喚起するとともに、万が一海外で犬や猫、野生動物等に噛まれた場合の対応として
「速やかに傷口や舐められた皮膚の表面を石鹸と水でよく洗い、速やかに医師の診察を受けなさい」
(原文:take immediate action by washing the wound or site of exposure with plenty of soap and water. Local medical advice should be sought without delay)
と呼びかけています。(後述しますが、日本の厚生労働省のアドバイスと同じです)
狂犬病は日本国内では完全に根絶された病気であまりなじみがないかもしれません。しかしながら海外では原因ウイルスがかなり広範に蔓延しています。名前に表れているように犬に噛まれた時だけでなく、様々な動物を介して感染することもあるため注意が必要です。
また、万が一発症した場合の致死率はほぼ100%という恐ろしい病気です。日本でも2006年にフィリピンで犬に噛まれた後帰国した60代男性が狂犬病によって死亡した事例があります。(これ以降国内での発症、死亡事例は報告されていません)
ただし、動物に噛まれた後にワクチンを接種することで、発症を防ぐことができる(暴露後免疫)という特徴があります。万が一海外で犬や猫等に噛まれた場合は必ず速やかに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、出来るだけ早く医療機関を受診することをおススメします。(厚生労働省のHPにもこのアドバイスが記載されています)
余談ですが、当HP海外安全.jpの代表尾崎は獣医師です。