被害は相手の「攻撃力」VS自分達の「防御力」で決まる
先週はニュージーランドやオランダといった、大勢の日本人が観光で訪れる国でインパクトのあるテロが続発しました。今後ますますテロから身を守るためにどうすべきか、という議論が行われるように思います。
他方で、
テロリストが存在する=危険
イスラム教徒が多い=危険
白人至上主義者が多い=危険
銃が流通している国=危険
という理解は明らかに誤りです。
こうした要素はあくまでテロや襲撃を実行しようとする「攻撃力」の話でしかありません。相手の攻撃力がいかに優れていても治安当局の取り締まりがしっかりしていたり、重要な施設の厳重な警備体制等こちら側の「防御力」がしっかりしていればそう簡単に大規模なテロ攻撃は実現しないのです。
これは逆もまた然りで、事務所の周辺外壁を強固にし、警備員の数を増やして「防御力」を高めてもテロや襲撃の被害をゼロにすることはできません。なぜなら、「防御力」を上回る「攻撃力」を用意されれば、被害が発生してしまうからです。加えて攻撃側の作戦次第では、こちら側の「防御力」をそもそも発揮させてもらえない(例えば電力を事前に遮断したり、内通者を用意したりすると本来の防御能力は発揮できません)ことも。
こうした攻撃力と防御力のせめぎ合いという点ではサッカーのようなスポーツと似ているかもしれませんね。両チームが一定の攻撃力と防御力を有し、それぞれの長所を生かすための戦術をとっています。より攻撃力を生かした側が得点を多くとることができ勝利を収めることができますね。
例えば、写真で示した内田選手はゲームの中で水準以上の「攻撃力」を持つ選手です。対戦相手からすれば内田選手を抑え込まなければなりませんので、「防御力」が高いセンターバックやボランチの選手を用意しなければなりません。でも同じ守備的選手がクリスチアーノ・ロナウド選手やメッシ選手相手でも十分な守備ができるか、と言うとそうではありませんよね。(内田選手には申し訳ないですが)両選手の「攻撃力」数値は内田選手よりもかなり高く設定されているからです。
同じように安全対策を検討する際も自分たちが用意する「防御力」だけを見ていてはいけないのです。
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