202010月20日現地未明、コンゴ民主共和国北東部、ウガンダとの国境に近い北キブ州ベニの刑務所を武装勢力が襲撃しました。襲撃による混乱に乗じ、1455名の囚人のうち約1300人が脱獄に成功しています。また混乱の際の銃撃戦などによって囚人2名が死亡したと発表されています。
現地治安当局は6年ほど前から周辺地域で村落や政府関係機関への襲撃を続けているウガンダ系の反政府武装勢力ADF(民主同盟軍)の犯行を示唆しています。ただし、ISIS中央アフリカ州を名乗る組織が犯行声明を発表しています。
同国内では本年7月にも反政府武装勢力らを収監している刑務所が襲撃される事案が発生している他、2019年4月には同じ北キブ州ベニで同国軍兵士ら8名が死傷した事案を含む各種襲撃事案に対し、「ISIS中央アフリカ州」名義の犯行声明が複数発出されています。ADFとISIS中央アフリカ州は連携しているとの示唆もあります。
国連機関の発表によれば北キブ州を含む周辺地域では今年前半だけで約1500名が政府軍や武装勢力による武力行使によって死亡しており、これは昨年同時期の約3倍となっています。治安情勢は極めて流動的であり、日本政府外務省も含め米・英・豪の各国も周辺への立ち入りを避けるよう注意喚起を発しています。
Deterioration of the human rights situation in conflict-affected provinces, in particular Ituri, South Kivu, Tanganyika and North Kivu, according to the analysis by @unjhro of the main #humanrights trends in the #DRC in the first half of 2020 https://t.co/k1d5TpqwW6 pic.twitter.com/pBRLU7G6DP
— UN Human Rights DRC (@unjhro) August 5, 2020