南アフリカ偽警官によるカージャック事案

この記事のURLをコピーする

2023年10月25日南アフリカ国道3号線で日本人が乗った車が車両強盗被害に遭いました。青色のライトを点灯し、サイレンを鳴らして警官のように被害車両を停車させる手口で車両及び所持品全部を奪われています。

 

本事案は南アフリカ国内ヨハネスブルクとダーバンを結ぶ幹線道路である国道3号線で発生しました。25日現地19時半ごろ、日本人駐在者が現地人運転手と車両で移動中、後方から青色のライトを点灯し、サイレンを鳴らしながら近づいてきた車両に停車を求められ従ったところ降りてきた男らに拘束され、所持品をすべて奪われたとのこと。また、クレジットカードの暗証番号を教えるようにも強要されています。最終的には車両を奪われ路上に置き去りにされています。

犯人らの指示に従っていたため、身体への被害はありませんが、車両はもちろんのこと、現金やクレジットカード、パソコン等事件当時所持していたほぼすべての物品を強奪されています。

sa-bluelight-gang
2023年7月に発生した類似の偽警官強盗事案で使われた変装道具(news24のウェブサイトよりキャプチャ)

本事案は警官を装って路上で強盗・カージャックを行うBlue Light Gangと呼ばれる犯罪です。日本人のみならず地元で暮らす南アフリカ人も多く被害に遭っています。本事案に対し、警察広報官は一般市民が可能な予防策として以下三点を説明しています。

・運転中は常に周囲に気を配り、不自然な警察官等に停車を要求された場合には特に注意をすること

・周囲に気を配り、交差点等にはゆっくりと近づくこと

・ルートと出発時刻/到着予定時刻を信頼のおける人物にあらかじめ通知すること。必要に応じGPSやスマホを用い、移動状況をモニターしてもらうこと

一般論として、警官のような制服を着用することは工夫次第で可能です。また、青ランプやサイレンも調達が可能ですが、明らかにパトカーではない見た目の車両が停車を指示する場合には偽警官による強盗事案を想定しうる事態と言えます。尾行されていると感じる場合あるいは偽警官/偽パトカーと思しき車両に追跡されている場合には最寄りの警察署や人目の多い商業施設/ガソリンスタンド等の近くまで運転を継続することが比較的有効な対策となります。
万が一、犯人グループに身柄を拘束された場合は抵抗せず、本事案の被害者のように金品・車両よりも皆さんの命を最優先とすることが推奨されます。
海外安全メールマガジン登録