南アフリカ「短時間誘拐」の増加傾向

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この数年、南アフリカ都市部を中心に短時間被害者を誘拐し、銀行等で現金を引き出すまで解放しない「短時間誘拐」事案が増加している旨、国家警察が注意喚起を発しました。昨年度の被害件数は年間約16000件を超えています。事案の半数近くがハウテン州での被害です

 

南アフリカでは身代金を目当てとした誘拐事案に加え、拘束した被害者からキャッシュカードの暗証番号を聞き出すなどして誘拐した本人から金銭を強奪するまで解放しない、といった「短時間誘拐」(Express Kidnapping)も多く発生しています。過去10年間でこの手の誘拐手法は急増しています。国家警察が発表している統計では同国の誘拐事件は過去10年で3.6倍に増えています。昨年報告された約16000件の誘拐被害の内、7800件がハウテン州で、3000件がクワズール・ナタール州で発生しています。

また、短時間誘拐は大掛かりな身代金要求や長期間の被害者拘束を伴わないため、富裕層や有名人及びその家族が標的となりがちでした。他方短時間誘拐は、準備がほとんど不要であり一件当たりの獲得金品の目標値も低いため誰もが被害者になりえると言えます。また、短時間誘拐は人身売買や麻薬関連行為など、組織犯罪の資金源になっているとも指摘されています。

 

強盗への対策として、近づいてくる見知らぬ人物には早めに警戒を高めること、また命を守るために強盗・短時間誘拐に遭遇してしまった際には金品は要求通りに渡すことなどが挙げられます。詳しくは以下コラムもご参照下さい。

【参考コラム】旅行中強盗に遭遇してしまったときは

 

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