中国深センでの日本人男児襲撃死亡事案

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2024年9月18日、中国南部深センの日本人学校付近で、登校中の日本人児童が中国人男性に刺され、翌日死亡する事案が発生しました。犯人はその場で治安当局に出頭し、現在取り調べが行われています。深センの日本人学校は今週休校措置が取られています。

 

日本人児童は腹部等を刺され、重症を負い、直ちに病院に運ばれ懸命の治療が行われたものの翌朝未明にお亡くなりになりました。在中国日本国大使館および中国に位置するすべての日本国総領事館は事件の概要とともにお悔やみを発表しています。

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本件は1931年日本の関東軍が満州鉄道の線路を爆破し、満州支配を拡大するきっかけとなった日でした。事件当日は朝から反日色の強い番組が放送されていた一日でした。ただし、本件は日本政府関係機関や政府要人ではなく、非常に弱い立場にあり、また日中戦争や第二次世界大戦とは無関係の小学生が狙われていること、単独犯による突発的な犯行であり、日中の歴史的経緯を踏まえた攻撃であると言い切るには論拠が十分ではありません。また、現時点では中国政府および警察当局から日本側や遺族へ事件の背景、犯人の動機等は説明されておらず詳細は把握できていません。

 

なお、この手の「ローンウルフ型」襲撃事案はその性質上発生を完全に防ぐことは困難であり、世界中どこでも起こりえるといえます。コロナ禍前、多くの日本人が海外に渡航していた時期には、世界各地で毎年400~500人が心身に重大な被害をこうむりうる犯罪被害に遭っていたことは外務省統計でも明らかです。中国はもちろんのこと、全世界どこにいても周囲の不審な人物や動きに注意することは必要不可欠といえます。

 

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