2023年6月中旬からチェコ国内、特にロマ人のグループの間で反ウクライナ、反ウクライナ難民の声が高まっています。先週ウクライナ国籍者が中南部ブルノ市でロマ人らを死傷させたことが契機となっています。反移民抗議活動などの動きも観察されており、当面動向に十分な注意が必要です
発端は2023年6月10日、チェコ中南部ブルノ市でウクライナ国籍の男性が中東欧諸国を移動しながら生活するロマ人2名を死傷させた事案です。本事案では既に犯人は逮捕されていますが、12日には反対にロマ人のグループが別のウクライナ国籍男性を襲撃する事案が発生しています。こちらの事案も犯人は逮捕済みです
これら一連の事案を受け、SNS等でロマ人やチェコの地元住民らを中心に反ウクライナ感情をあおる書き込みも増えています。チェコ政府は大臣らの声明等でヘイトクライムを是認しないこと、SNS等での対立感情をあおる書き込みを妄信せず冷静に行動することを呼び掛けています。
V souvislosti se sobotní tragickou násilnou smrtí mladého Roma v Brně prosím veřejnost o to, aby se nenechala vyprovokovat k násilí na základě dezinformací lidí, kteří chtějí jen eskalovat nenávist a rozdělovat společnost. pic.twitter.com/ejimD97SKG
— Lucie Fuková (@fukova_lucie) June 13, 2023
チェコ共和国ロマ/少数民族問題担当高官によるツイート「冷静さを保ち、一件の殺人加害者の国籍を持って一般化しないことが大切である」との記載がある
他方で、ウクライナ国籍者が犯人となる死亡者が出ているロマ人グループは17日ブルノ市ヤナーチェク劇場付近で抗議集会の開催を呼び掛けました。同集会は中止されるとの情報もありますが、当面反ウクライナ・反移民感情を踏まえた抗議活動や関連の暴力には十分な注意が必要です。
