2024年3月6日、イギリス政府は北アイルランドに関連するテロ脅威レベルを5段階中上から3番目に一段階引き下げました。長らくアイルランドの独立を目指し破壊行為を行ってきたアイルランド共和軍関係のテロ警戒を緩和したことになります。
イギリス連邦の中でアイルランドはその歴史的背景、また宗教的背景から独立を目指す運動が長く続いてきました。過去30年以内で最も大きなテロ事案としては1998年オマーでのショッピングエリア爆発事案（29名死亡）が挙げられます。しかしながら、2005年にはアイルランド共和軍の一部が英国政府と和平合意に達し、武力を用いた独立運動は下火になりつつありました。今般のテロ脅威レベル引き下げはイングランドと北アイルランドのポジティブな関係構築の結果と評価されています。
ただし、現在北アイルランド議会では独立を掲げるシン・フェイン党が第一党であり、北アイルランドの独立機運が収まっているわけではありません。こうした事情も踏まえ北アイルランドでのテロ警戒が完全に不要となったとの意味ではない点ご注意下さい。
