イギリス各地での暴動、警察官との衝突続発

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2024年8月2日イギリス北東部サンダーランドで警察と群衆が衝突し、警察署等が放火される事案が発生しました。西部サウスポートでの子供に対する刃傷事案を契機として流言が飛び交い、暴力事件が首都ロンドンを含む複数の都市で発生しています。イギリス滞在中の方は現地最新情報に注意し、群衆や治安当局の集結地点には近づかないようご注意下さい。

 

7月29日に発生したイギリス西部サウスポートでの殺傷事案以降、イギリス国内のインターネット掲示板やSNS等で移民やイスラム教徒等に対する根拠のない流言が増えています。これらに基づいて、反移民、反イスラム教徒的な暴力行為に及ぶ事例が複数の都市で報告されています。30日、事件が発生したサウスポートでイスラム教宗教施設への破壊行為が確認されたほか、31日には東部ハートリープルで警察と群衆の間で衝突が発生、ロンドンでも反移民や反イスラム教徒を掲げるグループの抗議集会が行われました。

2日夜に発生したサンダーランドでの大規模な衝突はイスラム教宗教施設付近で大勢の群衆がビールの缶や石を警察に投げつけたうえ、警察署付近に放火するなど「暴動」と表現しうる状態にまで至りました。警察官3名が負傷したほか、8名が逮捕されています。本件に関し地域の警察本部長は「騒乱や暴力、破壊は一切容認しない」と言及し、騒動に関連した全員を割り出すべく捜査を行っていると発表しています。

また、サンダーランドを含む英ノース・イースト行政区のキム・マクギネス首長は、「(サウスポートでの)悲劇的な事件への反応として、暴力行為や他人の中傷、警察への攻撃や公共施設の破壊といった行為に出るなら、あなたは暴力沙汰を支持しているに過ぎない」と行為に加担することへの警告を発しています。

 

本件の発端は、アフリカ系移民の出自を持つ英国カーディフ生まれの17歳が小学生らを襲撃した事案です。あくまで単独犯による突発的かつ計画性の低い無差別殺傷事案ではありますが本件を取り巻く背景、イギリスの置かれた現状等から移民や移民の出自を持つ人物ら、イスラム教徒への反感が広まりやすい状況ではあります。当面の間、群衆や警察官の集結地点を見かけた場合には速やかにその場を離れる、SNS等での集会呼びかけ会場等には近づかない、といった安全対策が推奨されます。

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