2024年10月22日以降、ポルトガル首都リスボン市の周辺で市バスやごみ箱等への放火が相次いでおり、少なくとも3名が逮捕されています。本件は21日に発生した警察の捜査に関連した市民への発砲・死亡事案への抗議が激化したものです。週末にかけ、警察への抗議活動が広く呼びかけられており、滞在中の方は最新情報にご注意ください。
一連の混乱の発端となったのは10月21日、リスボン郊外のアマドーラ市で早朝不審な車両を発見した警察官らが同車両を捜査しようとしたところ、カーボベルデ人の運転手が指示に従わず逃走した後に抵抗のそぶりを見せたため警官が2発発砲し同人が死亡した事件が発端です。市民団体は本件について警察の発砲は不適切であったと主張しており、警察も徹底的な調査を約束したものの、同男性の居住地域から放火や公共バスの乗っ取りが始まったものです。
22日夕方以降、アマドーラ市、オエイラス市、シントラ市、リスボン市中心部、セトゥーバル県にも暴動や発砲事案が発生しており、これまで少なくとも15台の車両への放火、116か所のごみ箱や道路設備の焼損・損壊が確認されています。治安当局は事態鎮圧のため、群衆を強制的に解散させるケースもあり、当面のあいだ衝突が激しくなることも想定されます。また、24日、26日にリスボン市内で本件に関連した抗議デモも呼びかけられているため、滞在中の方は現地最新情報に十分注意して下さい。不必要な巻き添え被害を避けるためには、群衆や治安当局の集結地点には近づかないようおススメします。