当サイトが注目するテロの傾向
報告書からは世界全体でのテロ被害改善傾向が読み取れました。しかしながら、注意しなければいけないのはイラクやシリアといった皆さんが行かないであろう国での被害改善が世界全体の統計に大きく影響しているという点です。つまり、イラクやシリアに滞在されない方にとっては2014年比52%の大幅改善は額面通りには受け取れず、むしろより多くの国でテロが発生するようになっている点に注意する必要があると考えます。
また、冒頭ご紹介したように、当サイト代表の尾崎はグローバルテロリズムインデックスの各国ランキング変動やその他各種治安情勢を踏まえて、近い将来どういった国が危険か毎年検討しています。残念ながら警戒していた国で大きな事件が発生することもありますし、注意して情報を集めていたものの特段なにも起こらなかったという国もあります。
ご参考までに当HPが考える向こう一年間のテロ要警戒地域、またテロ発生傾向を提供します。
・インデックスの順位が上がっている国のうち治安に関係する情報などを踏まえ特に注意が必要ではないか、と考える国はモザンビーク、ボリビア、モロッコ
・これらの国は日本人一般にとって国名とテロが結び付きづらく、警戒が必ずしも十分ではない可能性もある。特にモザンビークは官民を挙げて資源開発計画が進んでおり、現地活動の前には最新治安情報の確認が必須
(イラクやアフガニスタンのような大規模なテロが次々と起こるという意味ではない。小規模ながら現在の警備状況では防ぎきれない無差別テロなどによって、一般人に被害が発生しても驚かないという意味合い)
・ヨーロッパ及び欧米では引き続き銃の乱射や車両の突入といった「誰でもできてしまう」単独犯によるテロへの警戒を解いてはいけない
・報告書で指摘されている通り極右勢力によるテロは死者数が前年比で50%増加している。イスラム教過激主義や国家の分離主義者等と比して被害者数が目立たないが、その活動実態に警戒を始める必要がある
最後に一点目で指摘した要注意国に対し、日・米・英・豪各国がそれぞれの国民向けにどのような旅行前アドバイスを提供しているかまとめたぺージのリンクをご紹介しておきます。
この項終わり