2025年6月10日コロンビア南西部で警察を標的としたとみられる爆発が相次ぎ、少なくとも7人が死亡、28人が負傷しました。爆発は南西部中核都市カリ市に加えカウカ県、バジェ・デル・カウカ県で発生しています。コロンビア軍がコロンビア政府との和平プロセスに不満を表明しているゲリラグループの犯行を示唆していますが、根拠は不明です。
本件はコロンビア政府治安機関を標的としたテロと目されます。ただし、負傷者には民間人も含まれているとされており、一般人も巻き添え被害に遭っていることは間違いありません。コロンビア軍は「エスタード・マヨール・セントラル(EMC)」による犯行である旨発表していますがその根拠が示されておらず、また犯行声明も発表されていません。
コロンビアの第三の都市であり南西部の中核都市であるカリ市では少なくとも3回の爆発が確認されており、南西部一帯では13件の爆発が確認されたとみられています。EMCはコロンビア政府と長年対立し、武力行使もいとわなかった左翼ゲリラの一部であり、和平プロセスが始まった今もコロンビア政府には批判的な立場です。事件の直前10日にはEMCから「コロンビア政府が和平プロセスを放棄した、一般人は武力を用いた抵抗に巻き込まれないよう注意せよ」という趣旨の生命が発表されていました。