モルディブ治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.モルディブにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在モルディブ日本国大使館   :+960-330-0087

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :119

◎救急  :102

◎消防  :118

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

モルディブに対しては、日本政府外務省は安全度が高いと評価している一方で、米国は全土に対し、一定の警戒が必要であるとしています。また、英国およびオーストラリア政府は首都のあるマレ島とその他地域でアドバイスのレベルに差をつけています。
各国ともテロの危険性はそれほど高くないと評価していますが、特に首都周辺での反政府デモや選挙に関連した政治活動及びそれに伴う市民騒乱への警戒が必要との記載があります。
各国とも一般犯罪に対する注意喚起はそれほど強いトーンで記載されていません。日本政府外務省は首都マレでのひったくり、リゾート島での遊泳中の置き引き等に注意するよう呼び掛けています。

【海外安全.jpのコメント】

モルディブに対する各国のアドバイザリーは若干ばらつきがあります。日本政府は首都のあるマレ島を含めて危険情報を設定していませんが、他国は特にマレ島ではリゾート島に比べて警戒が必要である点自国民に呼び掛けている点を強調しておきます。

2022年後半から2023年年初にかけ、ヤミーン大統領に対する政治的な抗議活動が増加しています。現時点でリゾート島地域への深刻な影響は発生していませんが、群衆への接近はおススメできません。

また、2022年10月にはISISに関連し、テロを企てている可能性があるとして14名が逮捕されました。モルディブはイラクやシリアを拠点としていたISISに参加した人数が人口当たりで最も多い国です。不穏分子が国内に潜伏していることは否定できないものの、現時点で大規模なテロが実行可能とも言い切れない状況です。

オーストラリア政府のアドバイスにあるように「常識的な行動をとる」ことができれば不必要なトラブルは回避できます。

2.日本政府の危険情報


全土に対し、特段の注意喚起はありません。

 

他国と比較して一般犯罪への警戒を呼び掛ける文章もそれほど多くありません。ただ、日本と同じように過ごすのではなく、以下の通り一定の警戒をするよう注意を呼び掛けています。

首都マレでは,窃盗事件,特にひったくりが多く発生しており,歩行中は車道側にハンドバッグ等を持たないようにするなど注意が必要です。
リゾート島(リゾート施設のある島)では外国人が被害者となる犯罪例は少ないですが,水泳中の置き引きや空き巣には十分注意する必要があります。ホテル等での滞在中は,ドアや窓は確実に施錠する,セーフティー・ボックスを利用するなどして貴重品を管理する,多額の現金は持ち歩かない,不特定多数の人が集まる空港等では荷物から目を離さない等の,海外旅行の基本的な防犯対策に留意してください。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー


全土

テロと市民騒乱の危険性があるため、四段階で下から二番目の脅威レベル「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。2018年2月~3月にかけて首都マレ周辺で発生した大規模な反政府デモが紹介されており、大規模な集会等には近づかないよう注意喚起がなされています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

現在イギリス政府は地図上でのリスクレベル表示を行っておらず、現状特段の注意喚起はありません。ただし2018年2月、3月に発生した大規模反政府デモに伴い、国家非常事態宣言が発令された経緯が記載されています。類似の事態が発生した場合には首都マレのあるマレ島や国際空港周辺にも影響が出る旨明記されています。

 

他方で、イギリス人の多くが滞在するのはマレ島ではなく、リゾート島であること、リゾート等では一般犯罪を含めマレ島よりもテロや暴動、一般犯罪リスクは低い旨記載があります。マレ島ではギャング等によるナイフを用いた犯罪が増加傾向にあるため、マレ島では注意が必要とされています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付でモルディブは「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。
moldives-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

モルディブの大部分は5段階中真ん中となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」となっており、特に市民騒擾に伴う混乱への注意喚起がなされています。パンデミック以前と比して首都マレ以外は一段階警戒レベルが上がっています。首都マレでは一般犯罪が多く発生していることも明記されています。

6.最近の治安ニュース

モルディブ首都抗議活動周辺での民間人逮捕(2023年2月7日)

モルディブ首都マレでの爆発事案(2021年5月6日)

 

2020年2月4日、北部フルマーレ島でオーストラリア人、中国人合計3人が刺される事案が発生しました。事件後ISに関連すると思われる勢力が犯行声明を発表しています。

 

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